ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オクタウィア」の意味・わかりやすい解説
オクタウィア
Octavia
[没]前11
ローマ皇帝アウグスツスの姉。ガイウス・オクタウィウスとアチアの娘。前 54年ガイウス・マルケルスと結婚し,1男2女を産んだが,前 40年マルケルスが死ぬと,当時三頭政治の成員であった M.アントニウスと弟オクタウィアヌス (アウグスツス) とのブルンディシウムの和の固めとしてアントニウスと結婚,2女を産んだ。しかし前 36年アントニウスはパルティア遠征におもむき,東方でクレオパトラ7世との情事を復活。前 35年兵員や物資を補給してアテネまできたオクタウィアは追返され,前 32年離婚された。彼女はアントニウスと前妻フルウィアとの子,クレオパトラの子らを実子とともに誠実に養育し,世人の尊敬と同情を得た。
オクタウィア
Octavia
[没]62. パンダテリア島
ローマ皇帝クラウディウス1世と妃メッサリナの娘。初めユニウス・シラヌスと幼少時より婚約関係にあったが,ネロの母アグリッピナ (小)の策動によりシラヌスは婚約解消と自殺に追込まれ,53年ネロと結婚させられた。しかしネロに冷遇され,ネロは 62年ポッパエア・サビナと結婚するため,彼女を初め不倫,のちに不妊の口実で離婚し,カンパニアに追放した。しかし民衆が騒ぎ出すと,再び彼女は不倫と謀反の罪を着せられ,パンダテリア島に流され,処刑された。
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