オフショア生産(読み)オフショアせいさん(英語表記)offshore production

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オフショア生産
オフショアせいさん
offshore production

企業が生産コストの圧縮を目指して生産活動を海外に移転すること。発展途上国などが工業化の振興と外貨獲得を目的に,税制上の優遇措置を講じて保税加工区を設け,外国企業の誘致を促し,輸出向け生産を行なわせることにより,1960年代以降活発化した。発展途上国としては,本来国内市場の内需活性化のために輸入代替工業の推進を図りたかったが,潜在的内需規模の不足や資本材輸入による国際収支の悪化から,海外の企業を利用した輸出産業の形成へと転換しなければならなかった。しかし韓国,台湾,シンガポールなどはかえってこれらの政策を推進したことによって,今日のような飛躍的な経済成長を達成できたといえよう。

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デジタル大辞泉の解説

オフショア‐せいさん【オフショア生産】

offshore center開発途上国などで、工業化の推進や外資の獲得などを目的として、税制上の優遇措置をとる地域に先進国の民間資本が工場を設け、本国および第三国市場向けに行う生産。域外生産。再輸出生産。

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大辞林 第三版の解説

オフショアせいさん【オフショア生産】

発展途上国などが、外貨の獲得や工業化の促進のために、税などの優遇措置をとる区域を設け、そこに先進国の民間資本が生産工場を置いて、本国および第三国向け輸出を目的に行う生産。域外生産。再輸出生産。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オフショア生産
おふしょあせいさん
offshore production

域外生産あるいは再輸出生産などともいう。先進国の民間資本が発展途上国などに海外生産拠点を設け、そこで本国市場および第三国市場向けの輸出を目的とした生産を行うこと。オフショア生産は1960年代初めから多くなった現象で、発展途上国側においても、工業化の促進あるいは外貨の獲得などの目的と一致していたため、積極的な外資優遇策が講じられた。台湾、韓国、香港(ホンコン)、シンガポール、メキシコなど、政治的に安定した投資リスクの小さいところで行われている。しかしオフショア生産は、低賃金労働力を目的とし労働集約的過程を移転したにすぎず、受入れ国への付加価値も小さく、他部門への波及効果も弱いことから、発展途上国の国民経済とかけ離れた外国企業のための「飛び地」であるとの批判もなされている。[秋山憲治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

オフショア‐せいさん【オフショア生産】

〘名〙 (オフショアはoffshore) 発展途上国などが減免税など種々の優遇措置を設定した特別地区に、先進国の民間資本が工場を設け、本国や第三国向けの輸出を主な目的に生産を行なうこと。発展途上国には雇用の増大、外貨獲得、技術移転などの利点がある。

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