朝日日本歴史人物事典 「オリファント」の解説
オリファント
生年:1829
幕末に来日したイギリスの旅行家,著述家。ケープタウン生まれ。スコットランド出身のケープ植民地法務長官の子。1848年革命,クリミア戦争その他19世紀中葉のヨーロッパや中米の主な動乱ないし戦争に遭遇または進んで関与し,盛んに『タイムズ』など新聞雑誌に寄稿。1857年から59年へかけては対清特派使節ブルース(エルギン伯)に秘書として随行,この間安政5(1858)年日英修好通商条約締結のため訪日。文久1(1861)年在日イギリス公使館書記官に任ぜられるが,着任早々水戸浪士の襲撃(第1次東禅寺事件)で重傷を負い帰国,翌年退職。1865年下院議員に当選,折から来英の薩摩藩士をグラヴァーの依頼で外務次官に紹介。1867年議員を辞し,神秘主義者の指導する信仰共同体に加わるため渡米。新たな波乱曲折の生涯を送った末,本国で死去。<著作>《Narrative of the Earl of Elgin’s Mission to China and Japan》
(廣瀬靖子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報