芳香性化粧品。アルコールにネロリ(橙花)油やベルガモット油などシトロン系の香料を3~5%溶解させたもの。17世紀末イタリア人フェミニスがケルンで創出した〈オーアドミラブル〉が起源といわれるが,その事業を引き継いだファリナGianmaria Farina(1685-1766)が1742年〈オーデコロン〉,64年〈ケルニッシワッサー〉の名を登録した。ともに〈ケルンの水〉の意。日本にはオランダから伝わり,平賀源内の《物類品隲(ぶつるいひんしつ)》(1763)が紹介している薔薇露(ばらのつゆ)も広い意味でのオーデコロンである。明治初期には香(にお)い水とかオーデコロリと呼ばれたが,これは当時流行していたコロリ(コレラ)予防をあてこんだもので急速に普及した。以来,洗面香水,床撒き香水,万能香水として用いられている。第2次大戦後,アルコールに7~13%の香水系香料を溶かしたものがパヒュームコロン(オーデトアレ)と呼ばれ,香水とオーデコロンの中間に位するものとして市販された。さらに1979年ころから香水系の香料を溶かしたライトコロンが普及した。
→香水
執筆者:高橋 雅夫
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狭義には一つの古典的化粧水の名称。17世紀ごろイタリアで生まれた薬用水「アクア・ミラビリス」(不思議の水)が、プロイセンの都ケルンに渡り「ケルニッシュワッサー」(ケルンの水)として改良完成し、18世紀後半フランスに紹介され、その名もオー・ド・コローニュ、またはオードコロンとよばれ有名になり、全ヨーロッパに広まった。古典的オーデコロンは、シソ科とミカン科の葉、花、果皮からとった精油を秘伝の処方によって調合し、ぶどう酒からの酒精を使ってつくられる。また最近では、香水のラストノートを抑えトップノートに、シトラス(レモン、ライムなどの柑橘(かんきつ)類)やグリーン調のさわやかな香りを加えた香料含有量3~5%の、使いやすく、また使い道の広いフレグランス製品の一種を「オーデコロン」とよんでいる。
[梅田達也]
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…植物性・動物性の天然香料と合成香料を調合してつくった調合香料を,精製したエチルアルコールに希釈して,さらに時間をかけて熟成させる。広義には表のようにパヒュームコロン,オーデコロン,パヒュームオイルなどの芳香製品(フレグランス)のことをもいう。フレグランスの分類は,調合香料の賦香率(ふこうりつ)と関係が深いが,名称はまちまちで,世界共通のものにはなっていない。…
※「オーデコロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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