自由に回転する(言い換えれば動力駆動ではない)回転翼によって揚力を得る航空機。ジャイロプレーンgyro planeと呼ばれることもあるが,ジャイロプレーンは元来はオートジャイロの一商標名である。オートジャイロは,機体の重心付近の上部に自由に回転する回転翼をもち,この回転翼は,初めに手でちょっと回しておくと,機体の前進とともに回転面が若干後方に倒れて下方から空気が流入するので,自然に回転し続ける(オートローテーション)。ただし,前進飛行を行うための推進装置は必要であり,これにはふつうの飛行機と同様の,エンジン駆動のプロペラを用いることが多い。通常の飛行機のように主翼(固定翼)をもち,主翼の揚力も利用するもののほか,主翼のない形式のもの(ジャイロプレーン,ジャイロコプター(商標))もあり,後者の場合は回転面を傾けて機体の運動が制御できるように,操縦かんの動きが回転翼の傾きと連動している。
オートジャイロは1923年ごろスペインのシエルバJuan de la Cierva(1895-1936)によって実用化され,30年代には連絡・観測用に利用された。その後,ヘリコプターの登場とともに実利用の面では急速にすたれたが,現在でもスポーツ機,ホームビルド機としては人気のある機種の一つである。
→ヘリコプター
執筆者:東 昭
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…ハイブリッドとはあいのこ(雑種)の意味。上述の例は翼付きヘリコプターと呼ばれるが,ハイブリッド航空機には,このほかグライダーに低馬力の推進装置をつけ,自力によって離陸できるとともに滑空も行えるモーターグライダー,飛行機に自由回転をする回転翼を備えオートローテーション着陸や短距離での離陸が行えるようにしたオートジャイロ,翼付きヘリコプターにさらに推進器まで備えた複合ヘリコプター(コンパウンドヘリコプター)などがある。このように他の航空機の特性を加え合わせることによって,現在では広告などごく限られた分野にしか利用されていない飛行船にも新しい用途が開ける可能性がある。…
※「オートジャイロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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