オートジャイロ(その他表記)autogyro

デジタル大辞泉 「オートジャイロ」の意味・読み・例文・類語

オートジャイロ(autogiro)

航空機の一。ヘリコプターに似るが、回転翼前進するさいの風力によって動かし、揚力を得る。垂直上昇や停止飛行はできない。ヘリコプター以前に発明され、現在は主にスポーツ用。ジャイロプレーン

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精選版 日本国語大辞典 「オートジャイロ」の意味・読み・例文・類語

オートジャイロ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] autogyro ) 固定翼のかわりに空気力による回転翼をもつ飛行機プロペラ推進機体が滑走するときの空気力を受けて回転翼が回転し、発生した揚力により離陸する。ヘリコプターとちがい、回転翼をエンジンにより直接回転させていない。〔モダン用語辞典(1930)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「オートジャイロ」の意味・わかりやすい解説

オートジャイロ
autogyro

自由に回転する(言い換えれば動力駆動ではない)回転翼によって揚力を得る航空機。ジャイロプレーンgyro planeと呼ばれることもあるが,ジャイロプレーンは元来はオートジャイロの一商標名である。オートジャイロは,機体の重心付近の上部に自由に回転する回転翼をもち,この回転翼は,初めに手でちょっと回しておくと,機体の前進とともに回転面が若干後方に倒れて下方から空気が流入するので,自然に回転し続ける(オートローテーション)。ただし,前進飛行を行うための推進装置は必要であり,これにはふつうの飛行機と同様の,エンジン駆動のプロペラを用いることが多い。通常の飛行機のように主翼(固定翼)をもち,主翼の揚力も利用するもののほか,主翼のない形式のもの(ジャイロプレーン,ジャイロコプター(商標))もあり,後者の場合は回転面を傾けて機体の運動が制御できるように,操縦かんの動きが回転翼の傾きと連動している。

 オートジャイロは1923年ごろスペインのシエルバJuan de la Cierva(1895-1936)によって実用化され,30年代には連絡・観測用に利用された。その後,ヘリコプターの登場とともに実利用の面では急速にすたれたが,現在でもスポーツ機,ホームビルド機としては人気のある機種一つである。
ヘリコプター
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートジャイロ」の意味・わかりやすい解説

オートジャイロ
autogiro

ヘリコプタと同じく回転翼 (ロータ) によって揚力を発生する回転翼航空機の一種。外観もよく似ているが,ヘリコプタが動力によって回転翼を駆動するのに対し,オートジャイロは回転翼と動力が直結しておらず,プロペラで前進したときに生ずる風力によって自動的に回転翼が回り,揚力を得て浮揚する。このためヘリコプタのような空中停止 (ホバリング ) はできない。また垂直離着陸もできないが,離着陸のための滑走距離が非常に短い点や,低速でも安定して飛べるのが特色。今日ではレジャー,スポーツ用としての利用が多い。スペインのフアン・ド・ラ・シエルバによって発明され,1923年に初飛行した。

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百科事典マイペディア 「オートジャイロ」の意味・わかりやすい解説

オートジャイロ

機体の前進にはふつうのプロペラを用い,前進によって流入する空気流で回転翼を回して揚力を得る航空機。1924年スペインの航空技術者シエルバが発明,1930年代に観測用に使用された。ヘリコプターのようにエンジンで直接回転翼を駆動するのとは異なり,垂直飛行や空中停止はできない。1940年以降ヘリコプターが広範に使用されるようになり実用機としての使用はなくなったが,現在はスポーツやレジャー用などに使用され人気を博している。
→関連項目回転翼航空機

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オートジャイロ」の意味・わかりやすい解説

オートジャイロ
おーとじゃいろ

回転翼航空機

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世界大百科事典(旧版)内のオートジャイロの言及

【ハイブリッド航空機】より

…ハイブリッドとはあいのこ(雑種)の意味。上述の例は翼付きヘリコプターと呼ばれるが,ハイブリッド航空機には,このほかグライダーに低馬力の推進装置をつけ,自力によって離陸できるとともに滑空も行えるモーターグライダー,飛行機に自由回転をする回転翼を備えオートローテーション着陸や短距離での離陸が行えるようにしたオートジャイロ,翼付きヘリコプターにさらに推進器まで備えた複合ヘリコプター(コンパウンドヘリコプター)などがある。このように他の航空機の特性を加え合わせることによって,現在では広告などごく限られた分野にしか利用されていない飛行船にも新しい用途が開ける可能性がある。…

※「オートジャイロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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