カサミラ(読み)カサミラ(その他表記)Casa Mila “La Pedrera”

デジタル大辞泉 「カサミラ」の意味・読み・例文・類語

カサ‐ミラ(Casa Mirà)

スペイン北東部の都市バルセロナの中心部、アシャンプラ地区にある集合住宅。建築家アントニオ=ガウディが実業家ペレ=ミラ伯爵による依頼で設計。1906年から1910年にかけて建造された。曲線曲面を多用した独特な造形で知られる。1984年に「バルセロナのグエル公園グエル邸、カサミラ」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。2005年の拡張登録の際、「アントニオガウディ作品群」に名称変更された。

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世界の観光地名がわかる事典 「カサミラ」の解説

カサミラ【カサ-ミラ】
Casa Mila “La Pedrera”

スペイン北東部のカタルーニャ州の州都バルセロナ(Barcelona)、アシャンプラ地区のグラシア通りにある、カタルーニャ出身のアントニオ・ガウディ(Antonio Plácido Guillermo Gaudíy Cornet、1852~1926年)の作品(建築)。同じグラシア通りにあるカサバトリョが完成した後、ガウディが54歳のときに設計し、1906~1910年にかけて建設された。直線部分をまったくもたない建造物で、波打つような曲線の外観地中海をイメージしたといわれている。◇建設当時、バルセロナ市民は醜悪な建築物と見なし、「石切場」という意味の「ラペドレラ」(La Pedrera)と呼んだため、今日でも、その別称が使われている。カサミラの上層階は現在、ガウディ建築に関する博物館(Espai Gaudi)になっている。バルセロナ市内にはカサミラ、カサバトリョ、同じアシャンプラ地区のサグラダファミリアなど9つのガウディの作品があり、世界遺産に登録されている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カサミラ」の意味・わかりやすい解説

カサ・ミラ
Casa Milá

スペイン北東部,カタルニャ自治州バルセロナにある A.ガウディ作の集合住宅。 1905~10年建設。巨大な石造りの建物であることから通称「ラ・ペドレーラ (石切り場) 」と呼ばれる。波打つ岩肌に穴をうがったような外観や山脈のように起伏する屋根,不規則に立ち並ぶ煙突海藻を連想させるバルコニー装飾など,周囲のどの建物とも相いれない斬新なものであったため,当初の評判は必ずしもよいものではなかった。しかし,二つの中庭中核とする建物のゆるやかな曲線や採光の方法は十分計算されており,ガウディの作品のなかでも完成度の高いものの一つとなっている。 1984年グエル公園グエル邸とともに世界遺産の文化遺産に登録。

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世界遺産情報 「カサミラ」の解説

カサ・ミラ

カサ・ミラは建築家アントニオ・ガウディ(1852年 - 1926年)の代表的な作品のひとつです。アパートメントハウスになっており、1階は店舗、最上階はガウディ記念館となっています。カサ・ミラ、パルケ・グエル、パラシオ・グエルはバルセロナにあるアントニオ・ガウディの作品群としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。エントランス廻りを始め、細部も有機的なデザインでまとめられ、とてもおしゃれでユニーク。できれば丸一日かけて、じっくりと見学したいものです。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカサミラの言及

【ガウディ】より

…ゴシック建築の合理性の発展,カタルニャ独自の建築技術の適用,イスラム風の装飾性などの諸要素を彼独自の詩想のなかで融合し,バルセロナおよびその周辺,さらにアストルガ,レオンなどにもその建築を残している。とりわけ,当時のカタルニャの代表的な実業家グエル侯爵との交友のもとに建築した《フィンカ・グエル》(1864‐87),《グエル邸》(1886‐89),《グエル公園》(1900‐14),《コロニア・グエルの地下聖堂》(1908‐16)のほか,《カサ・ミラ》(1906‐10)や現在でも建築続行中の聖家族贖罪教会(サグラダ・ファミリア教会,1883‐)が名高い。彼の作品は,機能主義建築全盛の風潮のなかで,長く無視もしくは異端視されたが,今日では,その独自な構造の合理性,アール・ヌーボーの先駆的地位,環境との適応,象徴性など,さまざまな点で再評価されつつある。…

※「カサミラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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