グエル公園(読み)グエルコウエン

デジタル大辞泉 「グエル公園」の意味・読み・例文・類語

グエル‐こうえん〔‐コウヱン〕【グエル公園】

Parc Güell》スペイン北東部の都市バルセロナにある公園。1900年から1914年にかけて建造。もとは建築家アントニオ=ガウディが実業家エウセビオ=グエル伯爵による依頼で分譲住宅として設計。住宅は2戸のみ完成。グエル伯爵の没後、市に寄贈され公園になった。1984年に「バルセロナのグエル公園、グエル邸カサミラ」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。2005年の拡張登録の際、「アントニオガウディの作品群」に名称変更された。

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世界の観光地名がわかる事典 「グエル公園」の解説

グエルこうえん【グエル公園】

スペイン北東部のカタルーニャ州の州都バルセロナ(Barcelona)に残る、アントニオ・ガウディ(Antonio Plácido Guillermo Gaudíy Cornet、1852~1926年)の作品群の一つ。同市北部の市街を見下ろす小高い丘の上にある。施主のエウゼビ・グエル伯爵の依頼を受け、広場、道路などを含めてガウディが手がけた分譲住宅地で、1900~1914年の間に60軒の住宅が建設された。しかし、あまりにも独特なデザインのため買い手がつかず、結局売却できたのはガウディ本人とエウゼビ・グエル伯爵が購入した2軒だけで、グエル伯爵の没後、工事は中断され、公園として市に寄贈された。オブジェキノコのような東屋(あずまや)、波打つベンチ、斜めになった回廊など、ガウディの世界が広がっている。また、ガウディが一時期住んだ家がガウディ記念館として公開されている。サグラダファミリアをはじめ、バルセロナのガウディの作品とともに、世界遺産に登録されている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グエル公園」の意味・わかりやすい解説

グエル公園
グエルこうえん
Parque Güell

実業家 E.グエル伯の依頼によって A.ガウディが設計した庭園都市。 1900年から 1914年にかけて計画,建設された。バルセロナ市街を展望する丘の中腹 15万m2敷地に,一戸建て住宅を中心とする分譲住宅地をつくる計画であったが挫折し,今日のような公園となった。その結果,ガウディは入口の門衛所と事務所,中央の大階段と市場にあてられるはずであった多柱室,ギリシア劇場と呼ばれる広場,遊歩道をつくるにとどまった。広場は波打つような曲線を描くベンチで縁どられ,そこには陶器タイル破片がびっしりと張りつめられ,ユニークな文様を描き出している。遊歩道の傾斜する柱や壁面はドラマチックな構成をみせる。ガウディの非凡な才能をよく示している代表作の一つ。 1984年グエル邸カサ・ミラとともに世界遺産の文化遺産に登録。

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世界遺産情報 「グエル公園」の解説

グエル公園

バルセロナ市街北部の山の手にある公園で、鬼才ガウディが生涯をかけて築き上げた建築物群があります。ガウディのスポンサーであったグエル伯爵の構想により、分譲住宅としてガウディが設計を行いました。伯爵の死去によって工事は中断し、結局、門の部分と入口の建物しか完成しませんでしたが、公園内にはガウディの世界が広がっています。オブジェやキノコを思わせるあずまや、波打つベンチ、斜めになった回廊など、公園内のいたるところでガウディのイマジネーションが炸裂し、見る者を不思議な世界へと導いてくれます。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグエル公園の言及

【ガウディ】より

…ゴシック建築の合理性の発展,カタルニャ独自の建築技術の適用,イスラム風の装飾性などの諸要素を彼独自の詩想のなかで融合し,バルセロナおよびその周辺,さらにアストルガ,レオンなどにもその建築を残している。とりわけ,当時のカタルニャの代表的な実業家グエル侯爵との交友のもとに建築した《フィンカ・グエル》(1864‐87),《グエル邸》(1886‐89),《グエル公園》(1900‐14),《コロニア・グエルの地下聖堂》(1908‐16)のほか,《カサ・ミラ》(1906‐10)や現在でも建築続行中の聖家族贖罪教会(サグラダ・ファミリア教会,1883‐)が名高い。彼の作品は,機能主義建築全盛の風潮のなかで,長く無視もしくは異端視されたが,今日では,その独自な構造の合理性,アール・ヌーボーの先駆的地位,環境との適応,象徴性など,さまざまな点で再評価されつつある。…

※「グエル公園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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