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カストリ雑誌 かすとりざっし

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世界大百科事典 第2版の解説

かすとりざっし【カストリ雑誌】

1946年ごろから数年間にわたって発行された大衆的娯楽読物の俗称。第2次世界大戦後,それまで統制されていた言論活動はせきを切ったように活発になり,当時は活字であればなんでも売れた。戦中の統制下で休刊を余儀なくされていた雑誌《新潮》《文芸》が45年に,《中央公論》が46年に復刊され,同年には《世界》《展望》なども創刊されている。このような状況の中で目だったのがカストリ雑誌である。これらは戦中抑圧されていた性の解放が一気に噴出したものといえ,内容はほとんどが性風俗を中心とし,刺激の強さを売物にした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カストリ雑誌
かすとりざっし

第二次世界大戦終了直後から4、5年の間刊行された、セックス記事や読物を中心とする大衆娯楽雑誌。「カストリ」の語源は、かすとり焼酎(しょうちゅう)を3合飲めばつぶれるように、3号で廃刊するような安直な雑誌という意味とされる。広義には中間小説誌の原型である『りべらる』(1946年1月創刊)や暴露雑誌『真相』(1946年3月創刊)なども含まれるが、主体はエロ・グロ雑誌で、1946年(昭和21)創刊の『赤と黒』『猟奇』、47年の『奇譚(きたん)』『狂艶(きょうえん)』などをはじめ、『でかめろん』『マダム』『肉体』といった誌名に、肉体謳歌(おうか)の世相をみることができる。永井荷風(かふう)、田中英光(ひでみつ)、柴田(しばた)錬三郎、有馬頼義(よりちか)ら著名作家も、本名ないし別名で執筆していた。
 粗悪な仙花紙を用い、判型はB5判、定価は30~40円が多く、読者層の70%は20歳台であった。一時は数百点を数えたが、1950年ごろには消滅した。[紀田順一郎]
『山本明著『カストリ雑誌研究――シンボルにみる風俗史』(1976・出版ニュース社)』

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