デジタル大辞泉 「鴨猟」の意味・読み・例文・類語 かも‐りょう〔‐レフ〕【×鴨猟】 1 鴨を対象にした猟。かもうち。2 毎年10月から翌年4月にかけて、宮内省(現在は宮内庁)が随時催す年中行事の一。昔からの古風な猟法を行う。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「鴨猟」の意味・読み・例文・類語 かも‐りょう‥レフ【鴨猟】 〘 名詞 〙 鴨を狩猟すること。また、特に毎年一〇月初中旬から翌年の四月初中旬にかけて、宮内庁が年中行事として随時行なう鴨の狩猟。[初出の実例]「須崎の種田家の別荘へ招待されて鴨猟をやった」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉九) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「鴨猟」の意味・わかりやすい解説 カモ(鴨)猟【カモりょう】 カモを対象とする狩猟で,網猟と銃猟がある。網猟では張網,投げ網が行われ,銃猟では待撃ち(立上がりのカモをねらう),寄撃ち(田などに降りているカモに忍び寄って撃つ),鳥屋(とや)撃ち(おとりを配した鳥屋の中から,付近に降りたカモをねらう),沖撃ち(海上のカモに風下から船で近づいて撃つ),まずみ撃ち(たそがれ時に餌を取りにくるカモを田の付近や途中の山の鞍部(あんぶ)に迎撃する)などが行われる。いずれも夕方飛来して早朝に飛び立つ警戒心の強いカモの習性を考えた猟法。日没後の猟は鳥獣保護法で禁じられている。なおカモが集まりやすいように樹木を植え小島などをつくって外界と隔てた池を鴨場(かもば)といい,鴨場猟はおとりをつかいながら引堀に誘導して叉手(さで)網ですくい,すくいそこねて飛び立ったカモはタカを放ってとらせたりする。鴨場は,江戸中期幕府や各大名家などによってつくられた社交場で,明治に入って土地開発が進むと存続が困難になり,しだいに姿を消した。この間,宮内省によって伝統的な鴨猟の保存が図られ,現在では宮内庁所有の千葉県市川市の新浜と埼玉県越谷市の鴨場のみが残る。→関連項目片野鴨池|狩猟 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報