叉手(読み)サス

デジタル大辞泉 「叉手」の意味・読み・例文・類語

さ‐す【×手】

さしゅ(叉手)1」に同じ。
「―して首を伸べて」〈太平記・一〇〉

さ‐しゅ【×叉手】

腕を組むこと。転じて、手出しをしないこと。拱手きょうしゅ
しゃしゅ(叉手)

しゃ‐しゅ【×叉手】

仏教で、合掌に次ぐ礼法礼拝のとき、握った右手左手おおい、またはその逆をし、胸に当てる。
両手の指と指を組み合わせること。
「―してじっしりと落ち着き」〈洒・里靏風語〉

さ‐で【×叉手】

叉手網さであみ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「叉手」の意味・読み・例文・類語

さ‐しゅ【叉手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 両手を胸の前で重ね合わせること。また、手をこまぬくこと。腕をくむこと。転じて、手を束(つか)ねて何もしないこと。拱手(きょうしゅ)
    1. [初出の実例]「犬馬微情叉手表、冰霜御製遍身侵」(出典菅家後集(903頃)奉感見献臣家集之御製)
    2. 「侍者は住持のあとに叉手して行ぞ」(出典:百丈清規抄(1462)四)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐馬援伝〕
  3. さす(扠首)
  4. しゃしゅ(叉手)

しゃ‐しゅ【叉手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 両手の指と指を組むこと。しゃす。
    1. [初出の実例]「鐘聞たやうに叉手(シャシュ)してじっしりと落つき」(出典:洒落本・里風語(1772‐81頃))
  3. 仏語。礼法の一つ。胸の前で、十指二つの掌を合わせること。また、その礼。しゃす。
    1. [初出の実例]「衆家きたりてたちつらなれば叉手して揖(いっ)すべし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗浄)
    2. [その他の文献]〔禅苑清規‐一・赴茶湯〕

さ‐で【叉手・小網】

  1. 〘 名詞 〙 掬網(すくいあみ)の一つ。交差させた竹や木に網を張ったもの。また、細い竹や木で輪を作り、平たく網を張って柄を付けたもの。さであみ。すくいあみ。
    1. 叉手〈和漢三才図会〉
      叉手〈和漢三才図会〉
    2. [初出の実例]「三川(みつかは)淵瀬もおちず左提(サデ)さすに衣手濡れぬ干す児は無しに」(出典:万葉集(8C後)九・一七一七)

さ‐す【叉手】

  1. 〘 名詞 〙さしゅ(叉手)新撰字鏡(898‐901頃)〕

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普及版 字通 「叉手」の読み・字形・画数・意味

【叉手】さしゆ

前に手を交わす。〔三国志、魏、伝〕段、上して曰く、~、命を受けて~束馬縣車、自ら死地に投じ、~劉禪の君臣をして面し、叉手して膝(ひざ)を屈せしむ。、功名以(すで)にる。當(まさ)に之れを竹帛に書し、祚を世に傳ふべし。

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