カリクラテス(その他表記)Kallikratēs

精選版 日本国語大辞典 「カリクラテス」の意味・読み・例文・類語

カリクラテス

  1. ( Kallikratēs ) 前五世紀のギリシア建築家。ペルシア戦争後、パルテノン再建従事。また、イオニア式代表作であるアテナイのニケ神殿イクチノスとともに設計、建築した。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「カリクラテス」の意味・わかりやすい解説

カリクラテス
Kallikratēs

前5世紀のギリシアの建築家。生没年不詳。イクティノスとともにパルテノンの建築家として知られ,アクロポリス上のアテナ・ニケ神殿を設計。これはイオニア式神殿の代表作の一つである。前445-前443年ころアテナイと海を結ぶ3本の長城のうち中央の長城を造った。確証はないが,イリッソス河畔の神殿,デロス島の第3(アテナイ人の)アポロン神殿も彼の作と推定されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリクラテス」の意味・わかりやすい解説

カリクラテス
Kallikratēs

[生]?
[没]前149/前148
古代ギリシアの政治家。レオンチオン出身のアカイア連盟指導者フィロポイメンの死後リュコルタスに反対して親ローマ策をとった。第3次マケドニア戦争のとき,連盟がローマに敗れ,連盟の指導者たちがイタリアに拘留されたのちも,ローマの支持を得て勢力を維持したが,民衆には不評であった。

カリクラテス
Kallikratēs

ギリシア古典期の建築家。活躍期は前5世紀。ギリシア本土最大のドーリス式神殿パルテノンの造営にあたって,フェイディアスのもとに,イクティノスを補佐したといわれる。同じくアクロポリスにあるイオニア式の小神殿アテナ・ニケ神殿も彼の建造によるもの。またアテネとピラエウス間の城壁,アテネの城壁補修工事も担当した。

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百科事典マイペディア 「カリクラテス」の意味・わかりやすい解説

カリクラテス

古代ギリシアの建築家。前5世紀後半にアテナイで活躍。アクロポリスのアテナ・ニケ神殿ほか多くの公共建築を手がけ,イクティノスを助けてパルテノンの造営にも携わった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリクラテス」の意味・わかりやすい解説

カリクラテス
かりくらてす
Kallikrates

生没年不詳。紀元前5世紀にアテネで活躍したギリシアの建築家。初め、アテネとピレウスを結ぶ城塁ならびにアクロポリスの城壁改修工事に携わった。ペリクレス時代イクティノスを助けてパルテノン(神殿)の造営を行い、その後、アテナ・ニケ神殿の設計を担当した。また、デロス島のアポロン第3神殿も彼の設計によると伝えられる。

[前田正明]

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