カルシウム剤
製品名
《L‐アスパラギン酸カルシウム水和物製剤》
アスパラ‐CA(ニプロESファーマ)
L‐アスパラギン酸Ca(沢井製薬、東和薬品)
《乳酸カルシウム水和物製剤》
乳酸カルシウム(岩城製薬、健栄製薬、小堺製薬、東洋製薬化成、中北薬品、日医工、日興製薬、ニプロ、ファイザー、マイラン製薬、丸石製薬、山善製薬)
乳酸カルシウム水和物(シオエ製薬、日本新薬、吉田製薬)
乳石(ファイザー)
カルシウムは、骨、歯、神経、筋肉などを強化するはたらきがあります。カルシウム剤は妊娠時、授乳時、成長発育期、アレルギーの病気のときのカルシウムの補給に使われるほか、血液中のカルシウム濃度が低下してけいれんをおこすテタニー、骨粗鬆症、骨軟化症などの治療や予防に使用されます。
アスパラ‐CAは、腸から吸収されやすく臓器や組織への取り込みがよい薬です。
高カルシウム血症、腹部膨満感、胸やけ、軟便、頭痛、発疹、便秘、結石症などが現れることがあります。
このような症状が現れたら、医師に相談してください。
①錠剤や粉末があって、食後の服用が原則です。1日の使用回数と使用時間・1回の使用量については、医師の指示をきちんと守ってください。
②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。とくにジギタリス系強心剤では、中毒がおこることがあります。テトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌剤では、併用剤の作用が低下するので、同時服用は避けてください。
高カルシウム血症、腎結石のある人、重い腎不全のある人は使用できません。また甲状腺機能亢進症のある人、活性型ビタミンD剤を服用している人、高カルシウム血症が生じやすい状態の人は必ず医師に報告してください。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報
Sponserd by 
カルシウム剤
かるしうむざい
栄養剤の一種であるが、治療薬としても使われる。カルシウムは人体内にもっとも多く存在する無機質で、体重の1.5~2.2%を占める。その90%以上は骨など硬組織にリン酸塩などとして沈着している。体液中にはわずかに存在し、血液中のカルシウムイオンは上皮小体ホルモンとカルシトニン(甲状腺(こうじょうせん)のC細胞から分泌されるホルモン)によって調節されている。カルシウムはまたトロンボプラスチン(血液凝固因子の一つ)の作用を活性化して血液の凝固に関係する。カルシウムイオンが欠乏すると血管から組織液が滲出(しんしゅつ)する。したがって、じんま疹(しん)や、凍傷の場合にカルシウムを補給すると消炎効果がみられる。このようにカルシウム欠乏症、各種出血性疾患、骨軟化症、慢性炎症性疾患、皮膚疾患などの治療のために使用されるのがカルシウム剤である。注射剤としては塩化カルシウム注射液、グルコン酸カルシウム注射液、内服用にはリン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウムがある。
[幸保文治]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内のカルシウム剤の言及
【栄養剤】より
…水溶性ビタミン(ビタミンB群やC)は,そのような蓄積性はないが,過剰に摂取しても速やかに尿中に排出されてしまうので,経済的にみた場合水溶性ビタミンの過剰摂取は不経済であるといえる。 カルシウム剤は妊産婦にとって有効な薬である。日本の土壌はカルシウム分が不足しているため,水道水は軟水である。…
※「カルシウム剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 