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カルメル山化石人骨 カルメルさんかせきじんこつMt. Carmel fossils

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カルメル山化石人骨
カルメルさんかせきじんこつ
Mt. Carmel fossils

1931,32年にイスラエルのハイファの南約 24kmにあるタブーンとスフールの2洞窟で発見された十数体の化石人骨。スフール出土の人骨 (成人7体,未成年3体,その他破片数個) は,ネアンデルタール人現代人の特徴をあわせもっている。タブーン洞窟では成人女性のほぼ完全な全身骨格と男性の下顎骨が発見された。これらは下顎骨が小さな (おとがい) をもつことを除けば,ヨーロッパの典型的ネアンデルタール人に似る。タブーンではアシュール文化から上部ムスティエ文化の文化遺物が出ている。放射性炭素による測定年代は約4万 1000年前である。スフールはこれより 5000~1万年新しい。この化石は4通りに解釈されている。 (1) ネアンデルタール人と現代人型の集団の混血による。 (2) 現代人の方向へ急激な進化の途上にあったが,その変化が遅すぎたため,現代人の先祖になりそこねた集団である。カルメル山の人々は東方から来た完全な現代人に取って代られた。 (3) 地方的に互いに関係をもつ一連の集団の一つに属する人々で,のちの型のヒトはすべてこれらの子孫である。 (4) タブーン人は中東における人類進化のネアンデルタール型の段階にあるもので,スフール人は現代人の方向へ進化しつつある彼らの子孫である。これらの説に対する批判には次のようなものがある。すなわち,これらと同時代の現代人型の集団がいまだ不明であること,タブーンの集団とスフールの集団が同時代に生きていたという証拠がないこと,遺伝的な変化がこのように急速に起ることを認めるについてはためらいがあること,形態的変異にみられる大きな個人差を一つの集団において正常なものとみなせるか否かについて,意見が分れていることなどである。最近の考えでは第4の仮説が支持されている。いずれにせよ,カルメル山の化石人骨に混交した形質がみられることから,これらがヒトの進化を研究するうえで重要な位置を占めることは確かである。

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