カワシンジュガイ(英語表記)Margaritifera laevis; freshwater pearl mussel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カワシンジュガイ
Margaritifera laevis; freshwater pearl mussel

軟体動物門二枚貝綱カワシンジュガイ科。淡水産。ヨーロッパでは古くからこの類から真珠をとっていたのでその名がある。また,水温の低い清流にすみ,砂礫底にの後半を斜めに立てて群生するのでタチガイの名もある。殻長 12cm,殻高 5cm,殻幅 3.5cm。殻は長卵形で腹方へ少し曲り,殻頂は前方に寄り,低い。殻表は成長すると黄褐色から黒色になる。殻内面は強い真珠光沢がある。成長が遅く,100年以上も生きるといわれる。北海道から本州山口県までと,アムール,ウースリー,サハリンなどに分布している。またグロキジウム幼生はヤマメイワナなどの鰓 (あぎと) に付着している。近年,河川の汚染により,南日本では急激に減少し,絶滅に瀕している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カワシンジュガイ
かわしんじゅがい / 川真珠貝
freshwater pearl mussel
[学]Margaritifera laevis

軟体動物門二枚貝綱カワシンジュガイ科の二枚貝。淡水産の種で、北海道および本州にすむが、本州では日本海側に分布し、南(西)限は山口県。シベリアにも分布する。殻長12センチメートル。殻高5センチメートル。殻は長卵形で厚質、腹縁は直線的であるが、中央がややへこむ。殻頂は前方に寄る。内面は真珠光沢が強い。山間の清い渓流で小石の間に殻の前半を埋め、後半を斜めに突き出しているさまからタチガイ(立貝)の俗称がある。この貝のグロキディウム幼生はヤマメやイワナなどのサケ科魚類のえらに付着する。すこし前までは日本の種とユーラシアの種は同一とされていたが、最近の研究で別種であることが明らかとなった。成長が遅く年に数ミリメートルしか大きくならないと思われ、老成貝は100歳とも200歳ともいわれ、貝類のなかでは長寿種である。昔、アイヌ民族はこの貝をナイフの代用にしたといわれる。[奥谷喬司]

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