カワトンボ(英語表記)Mnais pruinosa

  • かわとんぼ / 川蜻蛉

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トンボ目カワトンボ科。腹長 40mm内外,後長 38mm内外。体は金属光沢のある緑色で,は成熟すると白色粉におおわれる。翅の色は多型で,雄では透明型,橙色型,淡橙色型,褐色型の4型があり,では透明型と淡橙色型の2型がある。4~6月に流水付近に普通にみられる。北海道から九州までに分布するが,東西で亜種が異なっており,また近畿地方を中心にこの近辺にはやや大型の別亜種もみられる。 (→トンボ類 )

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百科事典マイペディアの解説

カワトンボ科のトンボの1〜数種。体長55mmほど。金緑色で雄は老熟すると白粉を生じる。雄の翅はだいだい色型と透明型とあるが,雌は透明型がほとんど。だいだい色型は地方によって変化がある。晩春〜初夏に小川渓流のあたりに見られる。分類の手法によって1種にまとめられたり,複数の種に分割されたりする。カワトンボ科はトンボの中では原始的で,熱帯に種類が多い。日本にはほかにハグロトンボアオハダトンボなど。アオハダトンボは準絶滅危惧(環境省第4次レッドリスト)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

昆虫綱トンボ目カワトンボ科に属する昆虫。体長約50ミリメートル、後翅(こうし)長40ミリメートル。体は雌雄とも金属光沢のある緑色で、胸側にわずかに黄条が入る。北海道、本州、四国、九州および隠岐(おき)諸島に産する。日本特産種で次の3亜種に分けられる。ニシカワトンボは、本州中部から九州の南端部まで分布するが、雌のはねはつねに透明であるのに対し、雄では透明翅型のほかに橙黄(とうこう)色翅型があり、大分県以南では黒褐色翅型にかわる。ヒガシカワトンボは、北海道から本州中部まで分布し、雌雄とも胸部の後腹板前半には1対の黄点がみられる。この亜種の雄では透明翅型と橙黄色翅型があり、後者でははねの前縁の不透明条が広いものや狭いものなどいろいろな個体がある。オオカワトンボは、前記の2亜種より大形で、分布がニシカワトンボとほぼ重なるが、雄には透明翅型、濃橙赤色翅型、淡橙色翅型があり、雌にも透明翅型と淡橙色翅型がある。また、胸部後腹板は、初め黄紋を有するが成熟した雄では全体黒色となる。

 カワトンボ類は、全体に成熟雄は体に白粉を帯びる。また、いずれも春季早くから流水のあたりに出現し、夏季には山間部のものだけが残る。幼虫は清い流水に育つが、1世代3年くらいを要する。本属の種はさらに東南アジアの大陸部に3種2亜種を認める。

[朝比奈正二郎]


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