スウェーデンの中国学者。アジアでは高本漢(ガオベンハン)の中国名によっても知られる。1909年ウプサラ大学卒業後、中国語の音韻の研究から中国研究を志し、とくにその西北方言の調査と古音学とを結び付けて、中国文献学、古代学に新天地を開いた。学位論文を増補した『中国音韻学(正確には「音声学」)研究』(1915~1926)は、もっとも著名である。教職にはほとんどつかなかったが、イョーテボリ(ゲーテボルグ)大学副学長、極東古物博物館長、王立文史古物アカデミー院長、スウェーデン人文科学財団長などを務めて、一国の学界を指導した。
[橋本萬太郎 2018年6月19日]
『趙元任・羅常培・李方桂訳『中国音韻学研究』(1948・長沙商務印書館/再版・1962・台湾商務印書館)』▽『カールグレン著、大原信一・辻井哲雄・相浦杲・西田龍雄訳『中国の言語――その特質と歴史について』(1958・江南書院/複製・2000・ゆまに書房)』
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… 中国の音韻学はこのように各方面に相当の業績をあげて現代を迎えたが,それは現代の言語学の科学的理論によって再検討を必要とした。伝統的音韻学の中に新しい言語学的方法を導入して新しい音韻学の基礎を与えたのはスウェーデンの学者カールグレンである。現在はカールグレンの研究を土台として中国の学者や他の各国の学者によってますます精細になりつつある。…
…特に《詩経》以後は,それが世界文学の中でも最も早く〈押韻〉の技法を豊富に取り入れることを知った文学であるだけに,漢字の〈諧声(かいせい)〉,〈形声〉,あるいは〈仮借(かしや)〉の技法とも合わせ,かなり明確な音の体系を構成して見せることもできる。 中国の研究者は中国語のこの時代の形態を,スウェーデンのカールグレンの命名chinois archaïqueの訳として〈上古漢語〉,601年隋の陸法言の《切韻(せついん)》により,単なる枠組みとしてより以上に〈反切〉による音の指定まで得ていっそうよく把握できるようになった時代のそれを同じくカールグレンの命名であるancien chinoisによって〈中古漢語〉と呼んでいる。すでに粤方言を紹介しながら〈中古〉の音韻体系に触れ,また日本の〈漢音〉にも言及した。…
※「カールグレン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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