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ガス壊疽 ガスえそgas gangrene

翻訳|gas gangrene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガス壊疽
ガスえそ
gas gangrene

ウエルシュ菌などの嫌気性桿菌が密閉創や血行障害のある創に侵入して起る感染症。菌は土の中,ときにヒトや動物の糞便中に存在する。感染すると急速に皮膚,筋肉壊疽を起し,局所悪臭のあるガスを発生して,全身状態を強く侵す。患部を早期に切開して徹底的に壊死組織を除去するが,四肢の場合は救命のために切断することもある。化学療法,免疫療法その他の全身療法が発達したので,最近では死亡率が 10%程度に低下している。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ガス壊疽

細菌が傷口などから体内に入って感染、筋肉など体の一部の組織が壊死する感染症。壊死した組織で毒素が作られガスを発生させながら全身に影響が広がる。進行が急速で、切開でうみを出して壊死部分を切除するなど早期治療ができないと死に至る確率が高い。災害戦争での外傷で起きる例が多い。

(2008-05-28 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

ガス‐えそ〔‐ヱソ〕【ガス×疽】

傷口にウェルシュ菌などのガス壊疽菌が感染し、壊死に陥り、その部分が腐敗してガスを発生する状態。

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百科事典マイペディアの解説

ガス壊疽【ガスえそ】

主としてガス壊疽菌(土中に存在する嫌気(けんき)性の芽胞形成杆(かん)菌の一群)が不潔な傷口から感染して起こる伝染病。戦場に多い。発熱と皮膚・筋肉の壊疽をきたす。

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世界大百科事典 第2版の解説

ガスえそ【ガス壊疽 gas gangrene】

クロストリジウム属clostridiumに属する嫌気性菌が傷口から侵入して起こる,広範な筋肉の感染症。原因菌は,ウェルシュ菌C.welchii,ノビ菌C.novyi,セプチクス菌C.septicumなど6種類あり,数種類の混合感染によるものが多い。いずれもグラム陽性の杆菌で,胞子をもち,毒素を産生する。土壌中に広く分布するので,泥のついた小さな傷に起こりやすく,汚染が激しい戦場で多発しやすい。受傷後24~72時間以内に傷口の痛みとはれが起こり,筋肉は壊疽を起こし,茶色の半ば濁った悪臭の強い滲出液が出,組織は高度に障害される。

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大辞林 第三版の解説

ガスえそ【ガス壊疽】

不潔な傷口にガス壊疽菌が入って起こる炎症。局所の筋肉が急激に破壊されてガスが発生し、悪臭を放つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガス壊疽
がすえそ

ガス壊疽菌の感染によっておこる創傷感染症の一つ。ガス壊疽菌というのは嫌気性グラム陽性桿菌(かんきん)群の総称で、クロストリジウム属がもっとも多く、なかでも主役はウェルシュ菌である。ガス壊疽は、これらの混合感染による症候群である。土壌で汚染された開放性損傷によって発症しやすく、感染後6~7時間で感染創の周囲が蜂巣織炎(ほうそうしきえん)状に赤く腫(は)れ、筋肉の壊死(えし)を招いてガス発生を伴うため、病気の進行とともに膨れ上がり、全身状態が著しく悪化する。第一次世界大戦中の戦傷者に多発し、多数の死者を出して注目された。平和時にはまれである。かつては四肢の高位切断が行われたが、近年は化学療法や高圧酸素療法の効果が認められている。[柳下徳雄]

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世界大百科事典内のガス壊疽の言及

【壊疽】より

…起炎菌としては嫌気性菌のクロストリジウムが最も多い。糖分を融解してガスを発生する場合には,ガス壊疽ということがある。腸管の壊死は,放置すれば必ず壊疽に陥る。…

【蜂巣炎】より

…治療は,局所の安静,冷却,全身的な抗生物質の投与を行い,膿瘍があれば切開排膿する。嫌気性菌による蜂巣炎では,組織の腐敗とガスの産生がみられ,ガス壊疽(えそ)と呼ばれる。【小野 美貴子】。…

※「ガス壊疽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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