ギッシュ

百科事典マイペディアの解説

ギッシュ

米国の俳優。オハイオ州生れ。5歳の時から舞台に立ち,1912年姉のドロシーとともに映画界入り。D.W.グリフィス監督の《国民の創生》(1915年),《イントレランス》(1916年),《散り行く花》(1919年),《嵐の孤児》(1921年)などに出演し,純情・可憐な容姿と演技で映画草創期の代表的なヒロインとなった。1930年代には舞台で活動するが,1940年代に映画界にカムバックし,上品な老け役を演じた。主な作品にC.ロートン監督《狩人の夜》(1955年),J.ヒューストン監督《許されざる者》(1959年)などがある。L.アンダーソン監督《八月の鯨》(1987年)でカンヌ映画祭特別賞を受賞するなど,晩年にいたるまで現役であり続けた。
→関連項目ミッチャム

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世界大百科事典 第2版の解説

ギッシュ【Lillian Gish】

1896‐1993
アメリカの映画女優。〈サイレント・スクリーンに現れたもっとも偉大なヒロイン〉と評され,D.W.グリフィス監督作品の主演女優として数々の名作を残した。オハイオ州生れ。5歳のときから舞台に立ち,メリー・ピックフォードの紹介で妹のドロシーとともに1912年,グリフィスのバイオグラフ社に入り,《見えざる敵》でデビュー。15年,危地におちる南部の名家の令嬢を演じた《国民の創生》の大ヒットで彼女の名も世界的に有名になり,《イントレランス》(1916)では四つのエピソードをつなぐかなめとなる揺籃をゆする象徴的な母のイメージを演じた。

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世界大百科事典内のギッシュの言及

【散り行く花】より

… ドイツから表現主義の映画《カリガリ博士》(1919)が輸入されて,〈映画芸術(フィルム・アート)〉ということばが新しくアメリカ語になったころで,〈ソフトフォーカスのリリシズム〉と〈クローズアップの多用を控えた抑制の利いた編集〉にはグリフィスが〈芸術〉を意図した跡が見られ,〈ディケンズがカメラで語ったようだ〉とも〈グリフィスは絶叫することばかりでなくささやきかけることにかけても達人であることを証明した〉とも評された。 薄幸のヒロインを演じたリリアン・ギッシュは,1912年にグリフィス作品《見えざる敵》でデビュー以来,いわばグリフィスの子飼いのスターであったが,この映画で初めて対等の協力者として自分の解釈に基づく演技を許されたという。不幸な境遇のため笑顔を忘れたヒロインが,父親に〈笑え!〉と脅かされて指で唇に微笑のかたちをつくるシーンは,悲哀にみちた名場面として知られるが,〈笑わぬ喜劇王〉としてその無表情ぶりで有名なバスター・キートンは,《キートン西部成金》(1925)でそのパロディを演じた。…

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