クラトン(その他表記)kraton

改訂新版 世界大百科事典 「クラトン」の意味・わかりやすい解説

クラトン
kraton

王(ラトゥratu)の居所に由来するジャワ語で,インドネシアジャワ島マドゥラ島王宮を意味する。ジャワ島に現存するものでクラトンと称されるのは,ジョクジャカルタスラカルタにある四王家のものである。狭義のクラトンは王の館(ダラム),祭礼・宴式のための回廊(バンサ・クンチョノ)などからなる内廷(クダトン)とその前方の謁見所(バンサル・ウィトノ),式台所(シテンゲル),後方の役人の詰所(クマガンガン)および前方・後方の広場(アルン・アルン)からなる。広義には城壁で囲まれた王都をさす。また王国を意味する場合もある。このようにクラトンは王宮であると同時に王都や王国でもあるが,それは王がラトゥ=パンディト(王=賢者)と称され,宇宙の秘蹟を知り,宇宙の秩序を現世で顕現する者であるという,ヒンドゥー的王国理念を示すものである。
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最新 地学事典 「クラトン」の解説

クラトン

craton

ふつう,カンブリア紀以前に安定化した大陸地殻の一部を指し,楯状地と卓状地を合わせた地域に相当する。剛塊とも。先カンブリア時代のより古い時代に安定化した地域を,より後期の変動帯と区別する意味で用いることもある(例えば始生代クラトン)。造山帯に対立する概念として,L.Kober(1921)がKratogenと提唱したものを,H.StilleがKratonに改めた。造山(変動)帯が安定化することを剛塊(クラトン)化という。Koberは大洋地域もまた安定地域と考えたので,大陸のそれを高位クラトン(Hochkraton),大洋のそれを低位クラトン(Niedrigkraton)と区別したが,この区別は用いられていない。kratosは,ギリシア語で「強さ」を意味する。参考文献:L.Kober(1921) Der Bau der Erde, Borntraeger

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岩石学辞典 「クラトン」の解説

クラトン

もはや造山運動を受けなくなった地帯で,地殻の相対的に安定な部分.コーベルのクラトーゲン(kratogen)のことで,クラトンは大陸地域の陸剛塊(hochkraton)と大洋地域の海洋剛塊(tiefkraton)に分けられる[Kober : 1923, Stille : 1936, 木村ほか : 1973].近年の大洋底の拡大の考えからクラトンは大陸地域に限られる[Aubouin : 1965].ギリシャ語のkratosは強さ,強度の意味.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラトン」の意味・わかりやすい解説

クラトン
Kraton

インドネシアのジャワ島とマドゥラ島の王宮。広義には王都全体をさす。現存するのはジョクジャカルタの王宮 (1682) ,およびスラカルタの4王家の王宮のみであるが,かつては各地に建設された。クラトンにはジョグロと呼ばれるジャワの伝統的な建築形式の建物が用いられており,アルン・アルン (広場) を囲む形で,ダラム (王の館) ,回廊,内廷,謁見所などから成る。

クラトン
craton

先カンブリア時代に形成された安定大陸。造山帯に対する概念。楯状地とほぼ同義。剛塊ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内のクラトンの言及

【安定地塊】より

…古い地質時代に激しい変動を受け,その後は安定化してしまった地殻の部分で,変動帯と対照的な地域。クラトンcraton(剛塊)ともいう。主として花コウ岩や変成岩類からなり複雑な地質構造を示す。…

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