クリーム(化粧品)(読み)クリーム

百科事典マイペディアの解説

クリーム(化粧品)【クリーム】

化粧品の一つ。使用目的により洗浄用のクレンジングクリーム化粧下地クリーム,マッサージクリーム,栄養剤やホルモン,ビタミンなどを配合したナリシングクリーム,ホルモンクリーム,薬品を配合した日焼け止めクリーム,防臭クリーム,整髪用のヘアクリームなどがある。原料の上からは油性と無油性に大別。前者は蜜蝋(みつろう),固形パラフィン,オリーブ油などの油脂類をセッケンなどにより水と混合して乳化させたもので,コールドクリームのほか,クレンジングクリーム,栄養クリームなど。後者はステアリン酸セタノールなどが主原料で,淡泊で化粧下に適する。代表的なのはバニシングクリーム。少量の油脂類を加えた中性クリームもある。日本には1886年ごろ紹介されたが,それまでは米ぬかを布袋に入れて使っていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クリーム(化粧品)
くりーむ
cream

化粧品。白(はく)ろう、鯨(げい)ろうや脂肪油などにグリセリン、香料などを加えてつくる凝乳状の基礎化粧料の総称である。[横田富佐子]

歴史

紀元前5世紀ヘブライ人はオリーブ油を肌に塗っていたといわれるが、クリーム状のものとしては、ずっと時代を経た18世紀、ヨーロッパで植物油(ココア油、クルミ油など)や動物性(ロバ、ウシの乳など)を原料としたものが使われていた、との記録が残る。また、唇にひびが入るのを防ぐために、油性のものがリップクリームとして用いられたらしい。今日のクリームに近いものができたのは20世紀初めであるが、原料、製法などははっきりわかっていない。日本では1888年(明治21)に大日本製薬から「コールドクリーム」が、そして化粧品産業が成立した明治30年代の後半に平尾賛平商店から「レートクレーム」が発売された。1918年(大正7)には資生堂からもコールドクリームをはじめとした数種のクリームが発売され、顔や、手指の美容、あれを防ぐものとして一般化された。現在では多種多様なクリームが出回っていて、乳化剤の種類が増え、用法が開発されるにつれ、べとついた油性のクリーム、あっさりした水性のもの、さらに両者の中間的なタイプのものなどがつくられるようになった。[横田富佐子]

効用

クリームの種類によって異なる。
(1)吸収されやすい乳化状につくられているため、皮膚表面に適当な水分と、乳化された脂肪を補給し、潤いと滑らかさを与え、柔軟性を保つものもある。
(2)皮膚の表面を薄い膜で覆い、外界の刺激、太陽光線などの影響から皮膚を保護し、毛穴や汗腺(かんせん)がちりや細菌でふさがれるのを予防し、また皮膚病の原因を防ぐものもある。
(3)皮膚を傷めずに洗浄作用ができるものもある。
(4)マッサージを行うときに用い、血液の循環を助ける効果も認められ、間接的に皮膚を健康にする。
(5)化粧をするときの基礎化粧料になる。[横田富佐子]

種類

〔1〕コールドクリームcold cream 油性クリームの代表的なもので、クレンジングクリームなど、多くの油性クリームの原型である。化粧や汚れを落とし(洗浄作用)、マッサージ用としても使われる。鉱物性の油が含まれているので、つけたまま長く放置すると皮膚の通気性を損ない、油焼けなどの原因になりやすい。拭(ふ)き取ったあと、アルカリ性化粧水を使用するとよい。
〔2〕バニシングクリームvanishing cream vanishは「消失する」の意。水性。無油性クリームの代表的なもので、水とステアリン酸の乳化系で、湿潤効果を与える多価アルコールを添加したものである。主として肌のあれ止め、化粧下、ひげそりあと、汗をかく夏などに用いられ、使用感はさらりとしている。
〔3〕ハイゼニッククリームhygienic cream 中性クリーム。原料的にはクリームすべてが同じ。あれ性、中年の肌に向くとされる。脂肪分の不足を補い、肌の衰えを防ぐのが目的である。
 このほか、ナリシング(栄養)クリーム、コンディショニング(整潤)クリーム、ナイト(就寝)クリーム、エモリント(柔軟)クリーム、モイスチャー(保湿)クリーム、ホルモン(栄養)クリームなど、多くの呼び方もあるが、目的は、前述「効用」で触れた(1)~(5)と同じである。また用いる部位によって、リップクリーム、アイクリーム、ヘアクリーム、ハンドクリーム、ネイルクリームなどの分類もある。[横田富佐子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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