硬緑泥石ともいう。ケイ酸塩鉱物の一種。化学組成は(Fe2⁺,Mg,Mn2⁺)2Al4O2(SiO4)2(OH)4。単斜晶系または三斜晶系。暗緑色~黒色。モース硬度6.5,比重3.5~3.8。雲母や緑泥石に似た六角板状の結晶をなすが,へき開はこれらの鉱物ほど顕著でない。結晶構造もやや異なり,Si-Oの四面体は連続せずに孤立している。鉄,マグネシウム,マンガンの成分割合が変化著しく,マンガンに富む種類はオットレライトottreliteと呼ばれる。低温または中程度の温度の広域変成作用を受けた結晶片岩や千枚岩などの変成岩中に含まれることが多いが,接触変質帯や石英脈などにも含まれる。日本では北上高地,日立地方などの変成岩中に産する。
執筆者:白水 晴雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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