グスタフ(1世)(読み)ぐすたふ(英語表記)Gustav Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グスタフ(1世)」の意味・わかりやすい解説

グスタフ(1世)
ぐすたふ
Gustav Ⅰ
(1496―1560)

スウェーデン王(在位1523~60)。グスタフ・バーサGustav Vasaともいう。バーサ王朝の開祖。長年続いたデンマーク支配から、リューベックの支援を得て農民軍とともに祖国を解放した。即位後、教会領を没収し、教会を国王の管轄下に置くなどして宗教改革を断行した。また、低貴族による代官制を採用して行政改革も行った。1533年に、リューベックの同国内での特権を廃止し、スウェーデンの商人を保護した。急激な宗教、社会変革に反目した農民はたびたび一揆(いっき)を起こしたが、これをすべて鎮圧し、国の安泰を図った。長年の戦争、動乱で疲弊した経済の振興のため、農業、商業、鉱山業の改善に努めた。さらに国力を安定させるために国王の世襲制を決めた。スウェーデンの近代建国の父とされる。

[清原瑞彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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