グスタフ(3世)(読み)ぐすたふ(英語表記)Gustav Ⅲ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グスタフ(3世)
ぐすたふ
Gustav
(1746―1792)

スウェーデン王(在位1771~92)。前王時代に王権が弱体化し、二大貴族勢力の政権争いが続いたが、1772年に無血クーデターを成功させ、王権を奪回した。啓蒙(けいもう)的君主として、死刑の緩和、拷問の廃止、出版・宗教の自由、ユダヤ人の国内居住などの承認を行い、また財政改革も行った。少年時代に高名な文化人から美学、歴史学、文学の教育を受け、文芸に深い関心を寄せた。戯曲、歌曲を創作するなどとくに演劇を愛好した。芸術院、音楽院、歴史・考古学院を創設し、学芸を保護したため、著名な科学者、文人が輩出した。治世後10年ごろから王権の伸展を嫌う貴族と対立し、また焼酎(しょうちゅう)の専売制を導入したため国民とも離反した。そのため内政から国外に目を向け、88年にロシアに宣戦したが、将校の反乱をみた。これを即座に鎮圧し、同年のデンマークの侵略を農民軍とともに闘い、反対貴族を抑えて絶対王政を回復した。しかし、反対派貴族に仮装舞踏会で撃たれたのが原因で死去した。[清原瑞彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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