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グッドパスチャー症候群 グッドパスチャーショウコウグン

デジタル大辞泉の解説

グッドパスチャー‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【グッドパスチャー症候群】

Goodpasture's syndrome》肺の出血と急性の腎炎が同時に起こる病気。米国の病理学者の名から。

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家庭医学館の解説

ぐっどぱすちゃーしょうこうぐん【グッドパスチャー症候群 Goodpasture Syndrome】

[どんな病気か]
 1919年に、アメリカの医師グッドパスチャーが世界で最初に報告したために、この病名がつきました。
 せきやたんが出ることはもちろんですが、肺の出血によって、血(けっ)たん(血液のまじったたん)が出たり、ときには大量の肺出血によって喀血(かっけつ)がおこると同時に、腎臓(じんぞう)では糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)(急速進行性腎炎症候群(「急速進行性腎炎症候群」))が進行して、腎不全をおこし、死に至ることのある病気です。
 欧米では、若い男性に多く発病するといわれていますが、日本では、女性にも高齢者にも、この病気がおこることが少なくありません。
[原因]
 通常は、肺胞(はいほう)の表面の基底膜(きていまく)という部分の構造と、腎臓の基底膜の構造は異なっています。
 しかし、インフルエンザなどのウイルスによって肺胞がおかされたりすると、腎臓の基底膜の構造とよく似た構造が、肺胞の壁に現われてくることがあります。
 こうした場合に、肺胞の壁にできた腎臓の基底膜の構造に対する抗体(こうたい)が血液中につくられることになり、アレルギー反応によって、肺胞の壁が障害されて出血をおこしたりします。
 それと同時に、あるいはときに少し遅れて、腎臓もアレルギー反応によって障害され、糸球体腎炎がおこってきます。
[検査と診断]
 原因不明の肺出血があり、それと同時に、尿にたんぱく質が出ている(糸球体腎炎が疑われる)場合、血液中に腎臓の糸球体の基底膜に対する抗体が検出されれば、診断がつきます。
[治療]
 持続する肺からの出血によって生じる鉄欠乏性貧血に対しては、鉄剤が用いられます。
 また、全身的なアレルギー反応を抑えるために、ステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)薬が用いられます。
 腎臓の機能不全が進行した場合には、人工透析などが行なわれます。
[日常生活の注意]
 現在では、人工透析の技術も進歩しており、また、副作用の少ないステロイド薬も開発されていますので、この病気にかかっても、喀血に対する処置さえまちがえないようにすれば、以前に比べて、長く人生を送れるようになっています。
 予防としては、かぜ(インフルエンザなど)にかかった場合には、よくからだを休め、合併症がおこらないように、早い時期に治すことがたいせつでしょう。

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