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ケチュア Quechua

翻訳|Quechua

大辞林 第三版の解説

ケチュア【Quechua】

ペルー・ボリビアなどの南米アンデス地方に居住する民族。急傾斜の段々畑でトウモロコシ・ジャガイモを栽培する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ケチュア【Quechua】

ペルーとボリビアを中心に,南アメリカアンデス地方に居住し,ケチュア語を話す人びと。インカ帝国の公用語として普及したケチュア語は,現在,少なくとも300万人に話されている。ケチュアは,太平洋海岸地方からアンデス山脈をへてアマゾン熱帯低地との境界地方まで,広く分布している。最も多いのは山岳地帯に居住する農民で,彼らは灌漑の施された段々畑で,ジャガイモトウモロコシなどを栽培している。主食であるそれらの作物は,ゆでたりスープとして食されるほか,ジャガイモは野外での凍結乾燥により,チューニョという保存食に加工され,トウモロコシからはチチャという酒が醸造される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケチュア
けちゅあ
Quechua

アメリカエクアドルからペルー、ボリビアにかけて、アンデス山脈一帯に住み、ケチュア語を話す人々。かつてインカの王たちに支配されていた人々の子孫である。大部分が農民で、掘棒などの簡単な農具を使い、ときには小規模の灌漑(かんがい)を行って、トウモロコシ、ジャガイモなどをつくる。ただし、高地ではトウモロコシはあまり栽培できず、ジャガイモが重要である。ジャガイモを切って寒天にさらし、冷凍、乾燥させたチューニョという保存食をつくる。家畜としてラマとアルパカの放牧を行う。これらは重要な荷駄獣であり、またその毛で衣服をつくる。テンジクネズミ(モルモット)がインカ時代から食用にされている。伝統的な家屋は、日干しれんがの壁と草葺(ぶ)き屋根で、一部屋しかない。そこに夫婦とその子供たちが住む。標高約4000メートル以上の高地に孤立して住むケチュアの伝統的な村落は、たいてい数十から百数十戸の家からなり、多くは先インカ時代からの歴史をもつ共同体を形成している。土地は村落が所有し、毎年、各家族に畑が割り当てられる。また、農作業に関して村落内で労働力の交換制度がある。相続は父系をたどるが、親族は父方、母方ともに重要である。結婚は地域内婚、多くは村落内婚で、一夫一妻が普通である。初め、妻は夫の両親の家に入り、1年ぐらいたつと新しい家を建てて夫婦で移る。宗教は名目上はカトリックで、どの村も教会と守護聖人をもち、毎年、村の守護聖人の祭りを盛大に行う。他方、聖母マリアはしばしば大地母神と結び付けられ、山の頂に住む精霊を信仰するなど、ケチュアの宗教はキリスト教と征服以前の土着宗教が混ざり合った独特なものである。宗教儀礼のときに、トウモロコシからつくるチチャ酒を飲んだり、ときにはコカを食べることがある。[板橋作美]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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