日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルパカ」の意味・わかりやすい解説
アルパカ
あるぱか
alpaca
[学] Lama pacos
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ラクダ科の動物。南アメリカのチリ、ペルー、ボリビアのアンデス山岳地帯で飼われている家畜である。原種の野生種はすでに滅びたものと考えられている。体形はラマに類似するが、やや小形で、体長2メートル、肩高90センチメートル程度である。紀元前4~3世紀にはすでに家畜化されていたと考えられ、その主目的は毛用であったと思われる。事実、アルパカの毛並みは非常にしなやかで毛質はよく、毛の長さは10~12センチメートル、長いところでは40センチメートルにも達する。20世紀末でもペルー、ボリビアでは200万頭が飼育され、ヒツジが果たす役割を担っている。毛は衣類やカーペットに用いられ、その製品もアルパカとよばれている。妊娠期間は330日、1産1子である。日本では名古屋市東山動植物園、鹿児島市平川動物公園などで飼育されている(2003年時点)。
[中川志郎]