ケープタウン(英語表記)Cape Town

翻訳|Cape Town

精選版 日本国語大辞典 「ケープタウン」の意味・読み・例文・類語

ケープ‐タウン

(Cape Town) 南アフリカ共和国ケープ州の州都。共和国議会の所在地。アフリカ最南端の港湾都市で、同国第一の貿易港。一六五二年オランダ植民地として建設され、のちイギリスに占領されて東インド航路の要地となる。公用語であるアフリカーンス語ではカープスタットKaapstad)。

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デジタル大辞泉 「ケープタウン」の意味・読み・例文・類語

ケープ‐タウン(Cape Town)

南アフリカ共和国南西部の港湾都市。国会の所在地。西ケープ州の州都。ケープ半島の基部、喜望峰北方に位置し、天然の良港であるテーブル湾に臨む。インド航路の要地として東インド会社拠点を置いた。同国における鉱山開発とともに貿易港として発展。人口、都市圏350万(2007)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ケープタウン」の意味・わかりやすい解説

ケープ・タウン
Cape Town

南アフリカ共和国の立法上の首都であり,西ケープ州の州都でもある港湾都市。アフリカーンス語ではカープスタットKaapstadという。大都市域人口310万(2005)。アジア系のケープ・カラードが多い。大西洋インド洋の境界をなす喜望峰の基部に位置し,テーブル山(標高1086m)のふもとにあってテーブル湾に面している。地中海の気候に似た温帯の気候風土をもつ。1488年バルトロメウ・ディアスが最初のヨーロッパ人として来航して以来,テーブル湾はインドや東南アジア,東アジアに航行する船舶の重要な寄港地となった。17世紀に海運国として発展したオランダは,1652年東インド会社の補給基地を建設するため,ヤン・ファン・リーベークを総督としてこの地にオランダ人の植民地を開き,城砦を築いて港湾施設を整えた。ナポレオン戦争でオランダ本国が占領されたため,1795年イギリスがこの植民地を占領下に置いたが,ナポレオンが敗れると,1803年オランダに返還した。しかし当時海運国としてオランダを凌駕していたイギリスは,06年に喜望峰植民地を自国領土とした。ケープ・タウンの繁栄は1833年の奴隷解放に伴うオランダ系住民の大量流出と,69年のスエズ運河開通によって打撃をうけたが,67年に内陸のキンバリーでダイヤモンド,86年にトランスバールで金が発見されたため,繁栄を取り戻した。20世紀への変り目に起こったボーア戦争(南ア戦争)の被害は少なく,1910年イギリス帝国の自治領南アフリカ連邦成立とともにその連邦議会が置かれた。61年南アフリカ連邦はイギリス連邦を離脱し,南アフリカ共和国となったが,立法上の首都としてのこの都市の地位は変わらない。

 ケープ・タウンはこの国の地下資源の多い地域から離れているため,鉱工業面での繁栄はあまり見られず,周辺のブドウその他の農産物や水産物の食品加工が発達し,貿易港としてインド洋岸のダーバンと首位を争っている。市内には議会,州政府庁舎,博物館,美術館,植物園,ケープ・タウン大学などの政治的文化的諸施設があるほか,17世紀にオランダの建造した城塞や教会その他の史跡もあり,テーブル山や喜望峰とともに,美しい港湾都市として観光客を集める魅力をもっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケープタウン」の意味・わかりやすい解説

ケープタウン
Cape Town

南アフリカ共和国の立法府所在地で,西ケープ州の州都。アフリカーンス語では Kaapstad。州南西部,ケープ半島の最南端から約 50km北に位置。1652年オランダ東インド会社のヤン・ファン・リーベークにより建設され,オランダの貿易基地として発展(→喜望峰)。1795年イギリス領となり,一時オランダに返還されたが,1806年から再びイギリス領。1910年自治領として独立した南アフリカ連邦の首都となった。豊かな農業地帯を控え,古くからワイン,乾燥果実,ジャム,缶詰,水産物などの食品加工やたばこ製造が盛ん。船舶修理,石油精製,化学,繊維などの近代工業も発達し,工業地帯を形成している。テーブル山を背にテーブル湾に臨み,近代的港湾施設をもつとともに,博物館,美術館,大学などの文化・教育機関も完備。国有鉄道の南の終着駅で,国内だけでなく,ジンバブエ方面とも結ばれる。都市圏人口 310万3000(2005推計)。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ケープタウン」の解説

ケープタウン
Cape Town

南アフリカ共和国の立法首都,西ケープ州の州都。1652年オランダ東インド会社が築いた基地から始まる。1806年イギリス領となる。先住民系,アジア系のケープ・カラードが多い。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ケープタウン」の解説

ケープタウン
Cape Town

南アフリカ共和国南端にある港湾都市で,同国の立法上の首都
1652年オランダが港を開いたが,1814年イギリス領となり,スエズ運河開通までヨーロッパ・アジア航路の要地となった。

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