今日のドイツでは主として協同組合をさすものとして用いられているが、日本ではドイツの歴史学および社会科学の影響のもとに主として法制史と社会学において用いられ、前者においては組合あるいは団体、後者においては協同体などの訳語があてられている。この語に最初に重要な意味をもたせたのは、ドイツ歴史法学を代表するギールケである。彼は、人間は社会的存在であり、目的を達成するためにつねに集団生活を営むとするが、集団目的の達成は、少数者の意志への成員の服従による場合と、成員の協同による場合とがあるとして、前者を支配、後者を協同体(あるいは団体)とよび、両者の原形が家族にみられると考えた。すなわち親子関係は支配を、兄弟姉妹関係は協同を示すわけである。しかもこの協同体は、自然発生的な原始的共同体とは異なり、成員の自由意志に基づいて契約によって成立するものであることに特色をもつ。
社会学においてこの概念に注目したのはテンニエスであり、彼は社会の歴史的変動をゲマインシャフトからゲゼルシャフトへととらえながらも、ゲマインシャフトが社会の基礎をなすとする考えから、1910年代の協同組合運動のなかに、ゲマインシャフトとゲゼルシャフトの総合、すなわちゲノッセンシャフトを認めようとした。
[居安 正]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… このような規則をもつギルドは対外的独占と対内的平等という言葉に示されているように,ギルドに加入しない者に営業を認めず,ギルド構成員の数も限定し,中世後期には新加入者に対して厳しい枠を設け,対内的には平等の原則を貫こうとしていた。ヨーロッパ社会を貫く支配Herrschaftの原理に対し共同体Genossenschaftの原理がギルドという形で示されているが,ギルドにおけるゲノッセンシャフト的構造は大きく分ければ五つの特徴をもっていた。(1)身分の平等性 中世都市にはさまざまな身分の人物が定住したが,12~13世紀には市民共同体が結成され,古来の身分の不平等は解消されていった。…
…したがってゲマインシャフトを非合理的,ゲゼルシャフトを合理的と割り切ることはできず,現実の当該集団がどの程度各理念型に近づいているかが問題である。テンニースは同等関係(ゲノッセンシャフトGenossenschaft)と優越・従属関係(ヘルシャフトHerrschaft)について,ゲマインシャフト的なものとゲゼルシャフト的なものを見ていた。子に対する親,召使に対する主人,共同社会での年長者はゲマインシャフト的権威関係の典型であるが,夫妻の場合は同等と優越との組合せとされ,ゲゼルシャフトでも概念上の同等関係と事実上の権威委譲関係との矛盾が見られるとした。…
※「ゲノッセンシャフト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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