ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲンツ」の意味・わかりやすい解説
ゲンツ
Gentz, Friedrich von
[没]1832.6.9. ウィーン
ドイツの政治評論家,政治家。初めプロシアの下級官僚として,啓蒙主義を奉じ,フランス革命の正当性を評価したが,やがてジャコバン派の進出とともに反革命に転じ,E.バークの反革命論『フランス革命に関する省察』を独訳,紹介して注目を集めた。 1802年より保守的文筆家としてオーストリア政府に招かれ,イギリス,オーストリアおよびプロシアを糾合してナポレオン1世にあたるよう力説,反ナポレオン政策を主張し続けた。晩年はメッテルニヒの片腕となり,ヨーロッパでの各会議に参与し,特にウィーン会議ではメッテルニヒの補佐役として,儀礼の主人公と会議の事務局長を兼ねた。『新ドイツ月刊』 Die neue deutsche Monatschrift (1795) ,『歴史日報』 Das historische Journal (99) ,『ウィーン文学年報』 Die Wiener Jahrbücher der Literatur (1818) などの諸誌を刊行し,主著に『反フランス革命戦争の起源と性格について』 Über die Ursprung und Charakter des Krieges gegen die französische Revolution (61) がある。
ゲンツ
Gentz, Heinrich
[没]1811.10.3. ベルリン
ドイツの建築家。 K.ゴンダルトの弟子。 1790~95年イタリアで修業。ギリシア建築を範とし,新古典主義を標榜。ゲーテに招かれ,ワイマール選帝侯居城の一部 (1801~03) を制作。ほかにベルリンの造幣局 (1798~1800,86破壊) ,ルイゼ王妃霊廟 (10) など。
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