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コイサン Khoisan

翻訳|Khoisan

大辞林 第三版の解説

コイサン【Khoisan】

〔食料を採集する人々の意〕
ボツワナのカラハリ砂漠・ナミビア・南アフリカ共和国・アンゴラ南部などの、南アフリカ一帯で話されている言語の総称。吸着音(クリック)をもつのが特徴。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コイサン
こいさん
Khoisan

南部アフリカに住むサン人とコイ人の総称で、コイ人が自称する「コイ・コイン」(人間のなかの人間)、彼らがサン人に対してよぶ「サン・クァ」(サンの人々)のそれぞれの第1音節を組み合わせた名称。かつてはサン人を「ブッシュマン」、コイ人を「ホッテントット」というように、それぞれの俗称でよんでいたが、近年少数民族の権利保護の立場から俗称は用いられなくなりつつある。コイサン人種はかつて、東、中央、南部アフリカ一帯の広大な地域に分布していたことが岩壁画などの考古学的遺跡から知られており、タンザニアのハッザ(ハツァ)やサンダウェはその残存であると考えられている。喜望峰(ケープ・オブ・グッド・ホープ)に住む人々という意味でケイポイドとよぶ人もいる。サン人とコイ人は、身体特性、言語、文化において著しく類似しており、前者が狩猟採集、後者が牧畜に生計を依存している点によって両者を区別するのが普通である。
 コイサン人種の特徴は、黄褐色のしわの多い皮膚、毬状(きゅうじょう)毛、突出した頬骨(きょうこつ)、後方に突出したステアトピギー(脂臀(しでん))、低身長だがピグミー(身長150センチメートル以下をいう)ではない、などである。
 南部アフリカへの白人の進出とバントゥー系農牧民からの圧迫により、コイサン人種は激減し、その社会はほとんど伝統的な形態を残していない。人口は、サン人約6万、コイ人約3万。
 コイサン語は数語群に分けられるが、共通した特徴は、性称、音(トーン)の高低による区別、属格前置、単音節の語幹、クリック(吸着音、舌打音)などの存在である。[田中二郎]

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世界大百科事典内のコイサンの言及

【アフリカ】より

…赤道をはさんで同心円状に,熱帯雨林,サバンナ,砂漠,地中海気候帯と多様な自然をもっている。サハラ砂漠をはさんで,北は西アジア・地中海世界とひとつづきのハム・セム系の文化をもつ白人(コーカソイド)が支配的な白人アフリカ,南は,ピグミーやコイサン(サン,コイ・コイン)の非黒人先住民と,おそらく北西部から移住拡散した黒人(ニグロイド)の世界,すなわち黒人アフリカである。規準のとり方にもよるが,黒人アフリカだけで800近い異なる言語が話されているといわれる。…

※「コイサン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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