日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コップ(日本プロレタリア文化連盟)
こっぷ
KOPF
日本プロレタリア文化連盟 Federacio de Proletaj Kultur-Organizoj Japanaj(エスペラント)の略称。満州事変が勃発(ぼっぱつ)し、政治的文化的な反動が急速に強化された時代に抗するために、工場や農村を基礎とする文化運動の再編成が求められ、1931年(昭和6)11月に結成された。ナップ加盟の日本プロレタリア作家同盟、演劇同盟、美術家同盟などの芸術団体のほかに、プロレタリア科学研究所、新興教育研究所などの文化団体が加わり、全国的な文化運動の中央指導部を形成し、中央機関誌『プロレタリア文化』のほか『働く婦人』『大衆の友』などを発行した。政治の優位性を強調し、組織活動と文化活動の統一を目ざしたが、指導部の相次ぐ検挙と機関誌の毎号にわたる発禁など、過酷な弾圧によって、34年、事実上の解体に至った。
[伊豆利彦]