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コビトイルカ Sotalia fluviatilis; tucuxi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コビトイルカ
Sotalia fluviatilis; tucuxi

クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科コビトイルカ属。体長は沿岸性のもので約 2.1m,河川性のもので約 1.6mに達する。体重は約 40kg。出生体長は 0.7~0.8m。体色は背部および体側が黒青色または茶灰色で,腹部は淡灰色あるいは白色である。腹部の体色が肛門付近から背鰭 (せびれ) 前方に向って伸びる。体型は太く短い。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。嘴 (くちばし) は細長で前頭部との境目は明瞭。背鰭は小さく直角二等辺三角形状で体の中央よりやや後方に位置し,先端は鈍角で前縁は後方に傾斜する。上下顎骨に小さな円錐歯が乱ぐい状に左右 26~35対並ぶ。通常4頭以下の群れで行動するが,河川では 20頭以上,沿岸では 50頭以上の群れが観察されている。ブラジルの河川性のものは 10~11月の乾季に出産する。河川性のものはおもに小群をなす魚類を捕食し,沿岸性のものは魚類やイカ類を広く捕食する。分布はパナマないしホンジュラスからブラジル南部にかけての大西洋沿岸および河口域で,アマゾン川オリノコ川流域などの内陸部にも生息する。アマゾン川流域では刺網巻網などで捕獲される。近年,アマゾン川の開発によってマングローブ域の荒廃や水質汚染が進んでおり,生息環境の破壊が懸念されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コビトイルカ
こびといるか / 小人海豚
tucuxiestuarine dolphin
[学]Sotalia fluviatilis

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目マイルカ科に属する小形ハクジラ。体長1.3メートルで成体になるクジラ類最小種である。吻(ふん)はあるが前頭部の高まりとの境界に段溝がない。体の背側は濃褐色、腹部はそれより淡く、境界は刷毛(はけ)でぼかしたような模様となる。下顎(かがく)および咽喉(いんこう)部は白色を帯びる。背びれ後縁はあまりくぼまない。ブラジルからパナマ沿岸にかけて分布するが、主としてその地域の河川を好み、アンデス山系まで2500キロメートルもさかのぼる。普通は2~25頭の群れをつくって生活する。[西脇昌治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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