コールド・チェーン(読み)こーるどちぇーん(英語表記)cold chain

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コールド・チェーン
こーるどちぇーん
cold chain

低温流通体系とも訳される。生鮮食料品を生産者から消費者まで、冷凍、冷蔵、低温の状態で一貫して流通させるシステムをいう。生鮮食料品は、その性格から生産状態が安定しないため、価格の変動など、消費者だけでなく生産者にとっても種々問題を内包している。そこで、生鮮食料品を生産地で低温処理し、冷蔵(凍)トラックないし貨車により運搬し、冷蔵(凍)ショーケース、家庭の冷蔵(凍)庫と一貫して流通させることにより、鮮度の維持、価格の安定、衛生状態の確保に大きく寄与することができるようになった。第二次世界大戦後アメリカで急速に発展し、日本にも導入されて、流通革命の有力な担い手として普及してきた。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コールド・チェーン

低温流通機構(低温流通体系)。生鮮食料品を冷凍冷蔵など低温の状態(生鮮食品の場合 0~5℃内外,冷凍食品の場合-18℃以下の温度帯)で生産者から消費者のもとに届ける一連の仕組みのこと。1965年に科学技術庁資源調査会が公表した「食生活の体系的改善に資する食糧流通体系の近代化に関する勧告」において提唱された。これにより,商品の腐敗や鮮度の低下を防ぎ,商品の需給関係の変動を少なくして価格の安定をはかることができる。今日では冷蔵(冷凍)施設をはじめ,保冷庫,保冷車などの保管面・輸送面の設備も進み,コールド・チェーンは食品流通になくてはならない存在となった。

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百科事典マイペディアの解説

コールド・チェーン

低温流通体系と訳す。生鮮食料品を産地から消費地まで一貫して冷凍のまま送る体制。生鮮食料品の保存度を高め,価格の安定を図る。19世紀末の冷凍機完成以降発達,オーストラリアの牛肉が低温運搬船でヨーロッパへ,米国では西海岸の青果物が東海岸へ低温輸送された。日本では明治以後の魚の氷結輸送を中心に発達。遠距離輸送と長期保存が可能となったため,スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアでの産地直送販売,学校給食の一貫調理にとり入れられた。現在では生鮮食料品のほか,医薬品,血清,写真フィルムなどもコールド・チェーンの対象になっている。
→関連項目冷凍食品

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