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ゴダード Goddard, Robert Hutchings

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゴダード
Goddard, Robert Hutchings

[生]1882.10.5. マサチューセッツ,ウースター
[没]1945.8.10. アナポリス
アメリカの物理学者,ロケット研究家。ウースター工芸学校で学んだのち,同じウースターのクラーク大学で 1911年に学位を取得し,物理学教授をつとめた。少年時代から H.G.ウェルズの空想科学小説の影響で宇宙旅行に熱烈な関心をもつようになった。ロシアの K.E.ツィオルコフスキーには遅れをとったものの,19年に『超高度に達する方法』A Method of Reaching Extreme Altitudesという有名な論文を発表。種々の液体燃料の効率に数学的検討を加えて,25年には液体酸素とガソリンを燃料とするロケットを完成し,26年マサチューセッツ州オーバーンの試験農場で世界最初の液体燃料ロケット打上げに成功した。 1930年代はグッゲンハイム財団からの研究費でニューメキシコ州ロスウェルの試験場で,41年からはアナポリスの海軍技術研究所でロケット研究に従事していたが急死した。彼のロケット関係の特許は 200をこえているが,その先駆的な業績はその死後,高く評価されるところとなった。

ゴダード
Goddard, Paulette

[生]1905.6.3. アメリカ合衆国,ニューヨーク,グレートネック
[没]1990.4.23. スイス,ロンコ
アメリカ合衆国の女優。本名 Pauline Marion Goddard Levy。16歳のとき,ブロードウェーのレビューにコーラスガールとしてデビュー。その後 4年の間に結婚と離婚を経験し,映画スターを目指してハリウッドに移る。そこでチャーリー・チャップリンの目に留まり,ほどなく一緒に暮らし始める。チャップリンから演技指導を受けたのち,『モダン・タイムス』Modern Times(1936)で共演。チャップリンの名物キャラクター「リトル・トランプ(小さな浮浪者)」の道づれとなる快活な少女を演じて注目を集める。これを機に出演依頼が相次いだが,チャップリンとの婚姻関係が曖昧だったことを理由に『風と共に去りぬ』Gone with the Wind(1939)の主人公スカーレット・オハラ役を演じるチャンスを逃している。『独裁者』The Great Dictator(1940)で再びチャップリンと共演したが,1942年婚姻関係を明らかにしないまま離別。"So Proudly We Hail!"(1943)の従軍看護師役で,生涯で唯一となるアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。1958年,作家のエーリッヒ・マリア・レマルクと結婚してスイスに居を移し,その後は一市民として生涯を送った。

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デジタル大辞泉の解説

ゴダード(Robert Hutchings Goddard)

[1882~1945]米国のロケット工学者。クラーク大教授。固体燃料液体燃料ロケットエンジン、超音速液体燃料ロケットなどを開発。世界で初めて液体燃料ロケットの打ち上げに成功した。

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百科事典マイペディアの解説

ゴダード

米国の物理学者,ロケット工学者。マサチューセッツ州生れ。1919年クラーク大学教授。1906年ごろからロケット研究に取り組み,固体ロケットを経て,1926年世界最初の液体ロケットを飛行させることに成功。
→関連項目ロケット(工学)

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世界大百科事典 第2版の解説

ゴダード【Robert Hutchings Goddard】

1882‐1945
アメリカのロケット工学者。ロケットの基礎を築いた人物の一人であり,世界最初の液体(燃料)ロケットの打上げに成功した。マサチューセッツ州の生れ。クラーク大学で物理学を学び,1919年同大学教授に就任。1906年ごろから主として固体(燃料)ロケットの研究を始め,第1次世界大戦中は,第2次世界大戦でバズーカ砲として利用された管発射ロケットの研究を行った。その後液体ロケットの研究に転じ,19年それまでの研究成果をもとに《超高層に到達する方法》を出版,月ロケットの構想を発表したが,評価はあまりよくなかった。

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大辞林 第三版の解説

ゴダード【Robert Hutchings Goddard】

1882~1945) アメリカのロケット工学者。固体燃料や液体燃料のロケット-エンジン、また自動操縦システムなどを開発。1935年には音速を超える液体燃料ロケットの打ち上げに成功。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴダード
ごだーど
Robert Hutchings Goddard
(1882―1945)

アメリカのロケット工学者。マサチューセッツ州ウースター生まれ。ウースター工業学校在学中からロケットの応用の問題に取りつかれ、クラーク大学の物理学教授になってからはその研究に専心した。最初は固体推進剤を使用しての研究で、その結果は「きわめて高い高度に到達する方法」という論文にまとめられ(1919)、そこで「1キログラムぐらいのものを月に送り込める」と例示して世人の関心をひいた。
 その後、液体燃料ロケットの研究実験に移り、1926年には液体燃料ロケット(推進剤は液体酸素とガソリン)の飛翔(ひしょう)実験に成功。その後、国防省も実験の補助を始め、ニュー・メキシコ州ロスウェルに発射場が設けられて実験が進んだ。またジャイロによってロケットを誘導し、軌道を修正することも試みていた。これらの研究内容は、当時のドイツのロケット開発と同じであったが、ドイツが国策であったのに対し、アメリカではゴダードの個人的なレベルでしか進められていなかった。[新羅一郎]

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世界大百科事典内のゴダードの言及

【宇宙飛行】より

…ロシアのK.E.チオルコフスキーは,1903年に《宇宙空間へのロケット》という論文を書き,ロケットこそが宇宙飛行に有効なこと,そしてそれまでの火薬を用いたロケットではなくて液体の推進剤を用いる方法を理論的に提案した。一方,09年にアメリカでR.H.ゴダードがロケットの研究を開始し,19年に《超高層に到達する方法》という書物を出版し,みずからも液体燃料ロケットをつくって実験していた。これら2人はソ連,アメリカという宇宙開発における二大国の先駆者として,とくに高い評価をうけている。…

【ロケット】より

… 一応このように固体ロケットは10世紀にわたる歴史をもつが,一方,液体ロケットは実に19世紀もまさに終わらんとするころ,パリに留学していたペルー人ポーレP.A.Pauletが推力100kgfのロケットを実験したのがそもそもの始まりといわれる。いずれにせよ真に近代科学に裏づけされたロケット技術は,20世紀において3人の先覚者,ロシアのK.E.チオルコフスキー,アメリカのR.ゴダード,そしてドイツのH.オーベルトによって築き上げられたのである。彼らはロケット推進が本来的にもっとも宇宙飛行の手段としてふさわしいとの認識の下に,理論,実験の両面から,技術の展望を与えた。…

※「ゴダード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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