ゴムは金属やイオン結晶に比べて高弾性で,その弾性率は1 MPa 程度と小さい.この弾性がゴム弾性で,ゴムに限らずゴム状態にある高分子物質に広くみられるので,ゴム状弾性ともいわれる.その本性は,伸張によってエントロピーの小さい状態になったものが,エントロピーの大きい状態に戻ろうとする回復力である.これをエントロピー弾性という.しかし,すべてがエントロピー弾性であるわけではなく,弾性回復力の温度についての導関数を求める際,体積,長さを一定とみなすと,エントロピーからの寄与を得る.残りは内部エネルギーからの寄与で,これをエネルギー弾性という.エントロピー弾性のポテンシャルは,変形の小さいところではガウス分布の対数になり,長さの2乗に比例してフック弾性を示すが,エネルギー弾性のポテンシャルもフックの法則に従うので,そのことからエントロピー弾性であると結論するわけにはいかない.実験的には,あまり小さくない変形のところで,応力の温度係数が負であることを用いる.すなわち,熱すると縮み,冷やすと伸びる.大きな変形を与えたときにも弾性を保つためには,分子が相互にすべらないように架橋されていなければならない.このため,一般にゴム製品の製造には,架橋(加硫)操作を必要とする.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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