ゴム弾性(読み)ゴムダンセイ

  • rubber elasticity

大辞林 第三版の解説

ゴムなどの高分子物資が示す特異な弾性。小さい力で大きな変形が起こり、力を除くと直ちに元に戻る性質。また、伸びの際に発熱する。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ゴムおよびゴム類似物質の示す特異な弾性。金属などの通常の固体にくらべ、常温でのヤング率の値は約一〇万分の一程度で伸びは数百パーセントに及び典型的な高弾性を示す。ゴム物質の鎖状分子の熱運動によるもの。絶対温度の上昇とともにヤング率が増加するのが特徴。

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化学辞典 第2版の解説

ゴムは金属やイオン結晶に比べて高弾性で,その弾性率は1 MPa 程度と小さい.この弾性がゴム弾性で,ゴムに限らずゴム状態にある高分子物質に広くみられるので,ゴム状弾性ともいわれる.その本性は,伸張によってエントロピーの小さい状態になったものが,エントロピーの大きい状態に戻ろうとする回復力である.これをエントロピー弾性という.しかし,すべてがエントロピー弾性であるわけではなく,弾性回復力の温度についての導関数を求める際,体積,長さを一定とみなすと,エントロピーからの寄与を得る.残りは内部エネルギーからの寄与で,これをエネルギー弾性という.エントロピー弾性のポテンシャルは,変形の小さいところではガウス分布の対数になり,長さの2乗に比例してフック弾性を示すが,エネルギー弾性のポテンシャルもフックの法則に従うので,そのことからエントロピー弾性であると結論するわけにはいかない.実験的には,あまり小さくない変形のところで,応力の温度係数が負であることを用いる.すなわち,熱すると縮み,冷やすと伸びる.大きな変形を与えたときにも弾性を保つためには,分子が相互にすべらないように架橋されていなければならない.このため,一般にゴム製品の製造には,架橋(加硫)操作を必要とする.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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