ゴート(英語表記)goat

翻訳|goat

百科事典マイペディアの解説

ゴート

東ゲルマンに属する部族。スカンジナビア南部を原住地とし,古くより南方に移動,3世紀にはドナウ北岸より黒海北部に拡大,このころ東西ゴートに分かれた。4世紀後半,西ゴートはローマ帝国に侵入し,とくにアラリック1世のとき略奪をはたらいて民族大移動の発端となった。その後アキテーヌ地方に定住して5世紀ころ西ゴート王国を形成し,6世紀にイベリア半島に移ったが,711年アラブ軍に滅ぼされた。東ゴートからはテオドリック大王が出て493年イタリアに東ゴート王国を建国。近隣諸国と婚姻関係を結んで融和を図ったが,522年ビザンティン帝国に滅ぼされた。
→関連項目アウレリアヌスゲルマン人ルーン文字

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大辞林 第三版の解説

ゴート【Goth】

東ゲルマン系の一部族。東欧の原住地ウィスラ川流域から東南方に移動し、三世紀頃黒海北岸に定住した東ゴートとドナウ川下流に定着した西ゴートに分裂。 → 東ゴート西ゴート

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴート
ごーと
Gotenドイツ語

ゲルマン民族のうちの東ゲルマン系の集団。原住地はスカンジナビア半島南部と考えられるが、キリストの降誕前後ごろ、近縁のゲピート人とともに大陸に渡り、ウィクセル(ビスワ)川河口付近に姿を現す。このころまではまだ全体の統一が保たれていたらしいが、その後東ゴート人と西ゴート人とに分裂したと思われる。ゴートの名称の由来は、原住地にいたころ、一部がゴトランド島に分かれ住んでいたからとも、また大陸に渡るとき同島を経由したからだともいわれる。紀元後2世紀中葉以後にゴート人はさらに黒海北岸に移動し、東ゴート人はドニエプル川河口を中心に、西ゴート人はドナウ川河口北岸一帯に定住した。3世紀中葉以降、ローマ領内に侵入を繰り返したが、269年クラウディウス帝によって撃退された結果、侵入はやんだ。4世紀、ゴート人の司教ウルフィラの布教活動により、アリウス派のキリスト教を受け入れ、ウルフィラは聖書のゴート語訳も行った。民族移動期、西ゴート人はスペインに、東ゴート人はイタリアに建国した。黒海北岸の原住地に残ったゴート人は、フン人や、ついでスラブ人に吸収されたが、クリミア半島の東岸の、いわゆるクリム・ゴート人だけは、1475年オスマン帝国に征服されるまで独立を保った。[平城照介]

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