サウジー(英語表記)Robert Southey

デジタル大辞泉 「サウジー」の意味・読み・例文・類語

サウジー(Robert Southey)

[1774~1843]英国桂冠詩人批評家ワーズワースコールリッジらとともに、湖畔詩人とよばれた。物語詩「サラバ」、伝記ネルソン伝」など。

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精選版 日本国語大辞典 「サウジー」の意味・読み・例文・類語

サウジー

(Robert Southey ロバート━) イギリス詩人。「サラバー」「王子マドック」「キハーマ王の呪い」などの叙事詩がある。一八一三年には桂冠詩人に選ばれた。(一七七四‐一八四三

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改訂新版 世界大百科事典 「サウジー」の意味・わかりやすい解説

サウジー
Robert Southey
生没年:1774-1843

イギリス湖水派の詩人(湖畔詩人),批評家。オックスフォード大学中退後,フランス革命に共感,コールリジと北アメリカに〈理想平等社会建設を夢みて失敗。スペイン滞在中に《ジャンヌ・ダルク》(1796),ロンドンで《詩集》(1797)を出し,のちケジック定住した。彼の詩は,エキゾティックで神話的テーマをもつ叙事詩《サラバ》(1801),《マドック》(1805),《ケハマの呪い》(1810),それに議会改革をうたう《ワット・タイラー》(1819)の劇詩が中心である。しかし短詩《ブレニムの戦》は,戦死者の頭蓋骨を子供がもてあそぶ痛烈な戦争風刺で印象的である。現実の人生よりも読書から学んだサウジーには,天才的ひらめきや深遠な思想はないものの,良識と愛情にもとづく温かさがあった。散文でも多方面のエッセーとともに,《ブラジル史》(1810-19),《ネルソン》(1813)のような歴史・伝記物にすぐれ,スペイン文学の翻訳もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サウジー」の意味・わかりやすい解説

サウジー
Southey, Robert

[生]1774.8.12. ブリストル
[没]1843.3.21. カンバーランド,ケジック
イギリスの詩人,伝記作家。一時フランス革命の熱烈な支持者となり,S. T.コールリッジとアメリカのサスケハナ河畔に理想的平等社会の建設を計画したが,後年は頑固な保守主義者となった。 1803年以降いわゆる「湖水地方」のケジックに定住,ワーズワスと親交を結んだ。勤勉な職業作家として終始し,多量の詩,歴史書,随筆,伝記を残した。 13年桂冠詩人となる。一時世評が高かった『ケハマの呪い』 The Curse of Kehama (1810) などの長詩は読まれなくなり,今日では湖畔詩人の一人としての少数の抒情詩と『ネルソン伝』 The Life of Nelson (13) とによって記憶されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サウジー」の意味・わかりやすい解説

サウジー
さうじー
Robert Southey
(1774―1843)

イギリスの詩人。フランス革命を賛美し、コールリッジとともに政治的ユートピア「万民平等社会(パンティソクラシー)」の建設を夢みたが、のち王党派に転ずる。1813年桂冠(けいかん)詩人の地位を得、ジョージ3世の追悼詩を書き、バイロンの痛烈な風刺を浴びた。長編詩に『キハーマ王の呪(のろ)い』(1810)などがあり、今日では『ネルソン伝』(1813)が広く読まれている。

[早乙女忠]

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百科事典マイペディア 「サウジー」の意味・わかりやすい解説

サウジー

英国の詩人。ワーズワースコールリジの友人で,湖水地方で活躍した〈湖畔詩人〉の一人。若いイスラム教徒を主人公とした物語詩《サラバ》(1801年)のほか,《ネルソン》(1813年)などの歴史・伝記物もあり,多作。1813年桂冠詩人になった。

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世界大百科事典(旧版)内のサウジーの言及

【桂冠詩人】より

…これ以来この種の詩作は,桂冠詩人の義務ではなく,自発的意志によってのみ行われるならわしである。ほかに著名な桂冠詩人としてはR.サウジー,A.テニソンがいる。【川崎 寿彦】。…

【湖畔詩人】より

…彼の代表作の多くは,1799年末から1806年まで居を構えたグラースミアのダブ・コティッジで書かれた。その北方十数マイルのケジックにあるグリータ・ホールには1800年から04年まで僚友コールリジが,また03年から43年までR.サウジーが住まった。〈湖畔詩人〉の呼称はこの3人に対して,《エジンバラ・レビュー》(1817年8月)が軽蔑的に与えたものである。…

※「サウジー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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