サバール(英語表記)palmetto(palm)
sabalo
Sabal

精選版 日本国語大辞典 「サバール」の意味・読み・例文・類語

サバール

  1. ( Félix Savart フェリックス━ ) フランス物理学者音響学貢献ビオ協力もと電流の磁石におよぼす力について「ビオ‐サバールの法則」を発見。(一七九一‐一八四一

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改訂新版 世界大百科事典 「サバール」の意味・わかりやすい解説

サバール
palmetto(palm)
sabalo
Sabal

ヤシ科の高木または低木。幹は一本で円柱状をなし,外側は枯葉の葉鞘(ようしよう)で包まれている。葉は地際より出て,幹のないもの,あるいは幹ははって直立しないものもある。葉は掌状深裂,葉身は斜扇形あるいは基部はくさび形,径1~3m。裂片は,多数,線形あるいは先端は再度2裂し,内向すり合せ状。葉柄は長さ1.5~2mで,両側に稜はあるが,とげはない。葉腋(ようえき)に生ずる肉穂花序は両性分岐が多く,花は穂状につき雌雄同株。果実は核果で液果状,中に1個の種子を有し,やや基部に宿存する花柱がある。種子は多少扁球形,胚乳は全縁で硬い。北アメリカ(西部,南部),中央アメリカ,西インド諸島に22種を産する。耐寒性のある種が多く,温暖地で観賞用に多く植栽される。葉は屋根ふき用や編物(バスケットその他)とし,新芽は野菜となる。茎で刷毛をつくり,果実は食用にし,花は良質の蜜源となる。また大きな幹は耐水力があるので,杭材とするほか輪切りにしてテーブルをつくる。
執筆者:


サバール
Félix Savart
生没年:1791-1841

フランスの物理学者。初め医学を志し,1816年ストラスブール大学医学博士号を取得したが,このころから彼の関心は物理学,とくに弦や弾性固体の振動の実験研究に移り始めた。その研究対象は,弦楽器の振動から固体物質の構造に至るまでさまざまであるが,なかでも有名なのは,J.B.ビオと行った電流の磁気作用の測定研究である。電流の磁気作用は20年H.エルステッドによって発見されたものであるが,彼らはただちに直線・折線電流が磁石へ及ぼす作用を精密に測定し,その膨大な測定データより,ビオ=サバールの法則を提出した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サバール」の意味・わかりやすい解説

サバール(Félix Savart)
さばーる
Félix Savart
(1791―1841)

フランスの物理学者。メジエールに生まれる。初め医学を学び、1816年ストラスブール大学で医学の学位を得、その後物理学の研究に転じた。1827年パリ科学アカデミー会員に選ばれ、翌1828年コレージュ・ド・フランスの実験物理学教授に就任した。1820年ビオに協力して、電流の磁石に及ぼす作用に関する実験的研究を行い、有名なビオ‐サバールの法則を発見した。彼は主として振動論、音響学領域の研究に従事し、その分野では当時のフランスにおける第一級の実験物理学者として知られた。

[井上隆義]


サバール(Félix-Antoine Savard)
さばーる
Félix-Antoine Savard
(1896―1982)

カナダの小説家。フランス系。ケベック市に生まれるが、2歳のとき家族がシクチミに移り、青年時代まで同地で過ごす。26歳でカトリック僧籍に入り、以後開拓地で布教活動に従事するかたわら、作品を発表。小説『筏師(いかだし)ムノオ親方』(1937)、散文的エッセイ『アバチス』(1943)が知られている。他の作品に『バラショワ』(1959)、『狂女』(1960)、『墓碑』(1965)などがある。ケベック市のラバル大学で文学を講じ、フランス系カナダの民話や伝説の収集にも努めた。

[西本晃二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サバール」の意味・わかりやすい解説

サバール
Savart, Félix

[生]1791.6.30. メチエール
[没]1841.3.16. パリ
フランスの物理学者。ストラスブール大学で医学を修めたが,早くから振動現象に興味をもち,J.ビオに認められる。 1827年パリ科学アカデミー会員。 28年コレージュ・ド・フランス実験物理学教授となり,音響学を講じる。音響学,光学,電磁気学,流体力学などを研究し,なかでも電流と磁極との間の相互作用に関するビオ=サバールの法則は著名。

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世界大百科事典(旧版)内のサバールの言及

【ビオ=サバールの法則】より

…ここにθは,OPとO点における電流Iとのつくる角である。1820年にフランスのJ.B.ビオとF.サバールによって与えられた。実際には電流は連続したものであるから,P点における磁場の強さは,電流素片によって生ずる磁場dHを電流の道筋に沿って素片の位置について積分して与えられる。…

※「サバール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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