コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

サロメ Salomé

翻訳|Salomé

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サロメ
Salomé

イギリスの作家 O.ワイルド戯曲。 1893年刊。フランス語で書かれ,作者の友人 A.ダグラスによって英訳 (1894) された。聖書の物語に材をとる。ユダヤの王妃エロディアスには,最初の結婚によってもうけた娘サロメがいる。サロメは王に捕えられている預言者ヨカナーンを恋しているが,ヨカナーンは彼女を拒む。サロメは王の求めに応じて踊り,褒美にヨカナーンの首を所望する。何でも望むものを与えると約束していた王は,やむなくサロメの願いを聞き届ける。サロメは首を持って踊り狂い,王の命令を受けた兵士たちに殺害される。耽美的な倒錯趣味と華麗な修辞によって有名。 96年パリで初演。イギリスでは,内容が冒涜的という理由で,1931年にいたるまで公演が禁止されていた。英語版のために A.ビアズリーが描いた挿絵は著名。のちに R.シュトラウスによってオペラ化 (1905) された。

サロメ
Salome

1世紀頃在世のユダヤ王,ヘロデ大王の孫娘,ガリラヤの分封王ヘロデ・アンティパスの後妻ヘロデアの娘。彼女は叔父と結婚したが,のち小アルメニアの王アリストブロスと再婚した。このサロメは,伝統的にヘロデアと最初の夫ピリポ (ヘロデ・アンティパスの異母兄弟) の娘とみられ,ヘロデ王に踊りの褒美としてバプテスマヨハネの首を求めたとされている (マタイ福音書 14・1~12,マルコ福音書6・14~29) 。このサロメの物語は早くからキリスト教芸術の素材となっている。

サロメ
Salome

ユダヤの歴史に登場するゼベダイの妻,使徒ヤコブやヨハネの母。またおそらくはイエスの母マリアの姉妹 (ヨハネ福音書 19・25) 。1世紀頃在世。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

サロメ(Salome)

新約聖書に見える女性。母に教唆され、踊りの褒賞として継父であるユダヤ王ヘロデ=アンティパスにバプテスマのヨハネの首を求め、これを殺させた。
オスカー=ワイルドの戯曲。一幕の伝説に取材。1893年、フランス語で刊行。1896年、パリで初演。
リヒャルト=シュトラウス作曲の楽劇。全一幕。ワイルド作の戯曲に基づく。1905年、ドレスデンで初演。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

サロメ

新約聖書中の女性。ユダヤ王ヘロデ・アンティパスの後妻ヘロデヤと先夫ヘロデ・ピリポとの間の娘。王とヘロデ・ピリポは兄弟。王の宴席で踊り,その褒美(ほうび)として王とヘロデヤの結婚に反対したバプテスマのヨハネの首を所望してこれを得たという。
→関連項目ヘロデ・アンテパス

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

デジタル大辞泉プラスの解説

サロメ

1923年製作のアメリカ映画原題《Salome》。監督:チャールズ・ブライアント。

サロメ

ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスのドイツ語による全1幕のオペラ(1905)。原題《Salome》。オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』を題材とした作品。ヨハネの首を所望するサロメがユダヤ王ヘロデの前で踊る場面で演奏される「7つのヴェールの踊り」が有名。

出典|小学館デジタル大辞泉プラスについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

サロメ【Salome】

ガリラヤの太守ヘロデ・アンティパスHerod Antipasの後妻ヘロデヤHerodiasの娘。ただし,その物語を記したマタイ・マルコ両福音書には,サロメの名は記されていない。《マルコによる福音書》によれば,王妃ヘロデヤはヘロデの異母兄ピリポの妻であったが,サロメを連れてヘロデと再婚した。しかしその不義の婚姻をバプテスマのヨハネに非難されたため,娘をそそのかして父王の誕生日の祝宴での踊りの報酬としてその首をはねさせた。

サロメ【Salome】

R.G.シュトラウスの第3作目の1幕のオペラ。O.ワイルドの同名の戯曲(ドイツ語訳,H.ラハマン)に基づく作品で,1905年,ドレスデンのオペラ座で初演され,その初演は,官能的で頽廃的な筋書と絢爛豪華なシュトラウスの音楽によってセンセーションをまきおこした(日本初演1962)。物語は聖書の記述を背景にくりひろげられ,ヘロデ王の義理の娘サロメが,預言者ヨカナーン(ヨハネ)に恋し,《七つのベールの踊り》を踊って,幽閉されているヨカナーンの首を手に入れるというもの。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

サロメ【Salome】

ユダヤ王ヘロデ=アンテパスの姪で、その後妻ヘロデヤの娘。新約聖書によれば、王の前で踊り、そのほうびとして、バプテスマのヨハネの首を求めたという。1893年オスカー=ワイルドにより戯曲化、リヒャルト=シュトラウスにより楽劇化された。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

世界大百科事典内のサロメの言及

【オペラ】より

…このような理由から,すぐれた戯曲がただちにオペラに適するとは限らず,すぐれたリブレットが,文学的価値が高いとも限らない。とはいえ,メーテルリンクの戯曲によるドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》,ワイルドの戯曲によるR.シュトラウスの《サロメ》,G.ビュヒナーの原作によるベルクの《ウォツェック》のように,ごくまれに幸福な結びつきが見られるのも事実である。
[オペラと歌舞伎]
 明治年間にドイツに留学した森鷗外は,故郷への便りの中で,オペラという言葉にかえて〈西洋歌舞伎を見た〉と記したという。…

【サロメ】より

…ガリラヤの太守ヘロデ・アンティパスHerod Antipasの後妻ヘロデヤHerodiasの娘。ただし,その物語を記したマタイ・マルコ両福音書には,サロメの名は記されていない。《マルコによる福音書》によれば,王妃ヘロデヤはヘロデの異母兄ピリポの妻であったが,サロメを連れてヘロデと再婚した。…

※「サロメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

サロメの関連キーワードシュミット(Florent Schmitt)サロメ(オスカー・ワイルドの戯曲)洗礼者ヨハネの首を持つサロメエヴェリン ヘルリツィウスモハメド サルマーウィニセ・ウルトラセブンエリカ ズンネガルドチャールズ ロートンヴラデク シェイバルカリタ マッティラサロメ(新約聖書)アンゲラ デノケストリップショーアニア シリアデボラ ボイトミラベル宮殿モロー美術館刺青のサロメラインハルト伝説的教訓劇

今日のキーワード

大義

1 人として守るべき道義。国家・君主への忠義、親への孝行など。「大義に殉じる」2 重要な意義。大切な事柄。「自由平等の大義を説く」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

サロメの関連情報