ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨセフス」の意味・わかりやすい解説
ヨセフス
Josephus, Flavius
[没]100頃.ローマ
ユダヤの祭司,歴史家。ユダヤ名 Joseph Ben Matthias。 16歳から3年間荒野で修行したのち,エルサレムに帰り,親ローマ的なパリサイ派に属した。 64年使節としてローマにおもむき,ネロ帝の第2夫人の知遇を得,ローマの軍事力に感銘した。ユダヤ戦争 (66~70) 前夜に帰国,ガリラヤ方面の司令官に任じられて拠点を死守したが敗れて,のちの皇帝ウェスパシアヌスの捕虜となった。 69年ウェスパシアヌスが即位すると,これを予言したヨセフスは解放され,以後皇帝の姓フラウィウスを名のって彼に仕え,70年のエルサレム攻囲には皇帝の子チツスの軍に従って参加,両軍の仲介に努力したが成功せず,エルサレム陥落後は,ローマに滞在して皇帝の庇護のもと著作に専念した。主著は,『ユダヤ戦記』 Bellum Judaicum (7巻,75~79) ,『ユダヤ古代史』 Antiquitates Judaicae (20巻,93) 。
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