サンス(英語表記)Sens

デジタル大辞泉 「サンス」の意味・読み・例文・類語

サンス(Sens)

フランス中北部、ヨンヌ県都市同県の副県都。ヨンヌ川沿いに位置し、古代ローマ時代から鉱泉のある保養地として知られる。ゴシック様式最古の教会の一、サンテチエンヌ大聖堂がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンス」の意味・わかりやすい解説

サンス
Sens

フランス中部,ヨンヌ県の都市。人口2万6602(1982)。金庫製造,なめし革業,電気材料製造などが行われる。ガロ・ロマン時代には北方蛮族に対する要塞都市で,浴場円形劇場などの建設がみられた。3世紀にキリスト教が導入されるとともに司教座,さらには北フランスの首都大司教座となる(1622年まで)。この間数々の宗教会議が開かれ,特に1140年の会議はアベラールの著作の禁書宣告で有名である。1130年に起工されたサンテティエンヌ大聖堂は,パリ郊外のサン・ドニ修道院と共にゴシック様式創造へ第一歩を踏み出した建築として知られる。また12世紀末に建造された大聖堂西正面中央柱の聖ステファヌス(サンテティエンヌ)像は,13世紀ゴシック彫刻の先駆をなす。大聖堂宝物館には15~16世紀のタピスリー象牙細工などが保管されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンス」の意味・わかりやすい解説

サンス
さんす
Sens

フランス中北部、ヨンヌ県の副県都。パリの南東110キロメートル、ヨンヌ川沿いにある。人口2万6904(1999)。ほぼ12世紀にさかのぼるサンテティエンヌ大聖堂や、中世および古代文化の遺物が豊富な博物館など、初期ゴシック様式とルネサンス期の建築物がみられる。農業機械鉄道車両れんがビスケットを生産。青銅の鋳造場もある。古くからの都市で、古代にはローマの属領ガリアのもっとも重要な都市の一つであり、アゲディンクムAgedincumとよばれた。

[大嶽幸彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンス」の意味・わかりやすい解説

サンス
Sens

フランス中部,ヨンヌ県北部の町。パリ-リヨン間の交通の要衝。旧市街はシャンパーニュ地方のヨンヌ川右岸にあり,ガロ・ローマ時代の城壁跡が道路となって周囲を取巻いている。聖エティエンヌ大聖堂 (12~16世紀) はイギリスのカンタベリー大聖堂の原型として知られる。左岸には駅と工業地区があって,金属・電気・プラスチック・薬品・酪農製品工業が盛んである。人口2万 7755 (1990) 。

サンス
Sanz, Gaspar

[生]1640. アラゴン,カランダ
[没]1710. マドリード
スペインのギタリスト,オルガニスト。サラマンカで学び,ナポリ副王の宮廷オルガニストに就任。スペインに帰国後,アウストリア公ドン・フアンのギターの教師となる。すぐれたギター曲が多い。

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