フランス中部,ヨンヌ県の都市。人口2万6602(1982)。金庫製造,なめし革業,電気材料製造などが行われる。ガロ・ロマン時代には北方蛮族に対する要塞都市で,浴場,円形劇場などの建設がみられた。3世紀にキリスト教が導入されるとともに司教座,さらには北フランスの首都大司教座となる(1622年まで)。この間数々の宗教会議が開かれ,特に1140年の会議はアベラールの著作の禁書宣告で有名である。1130年に起工されたサンテティエンヌ大聖堂は,パリ郊外のサン・ドニ修道院と共にゴシック様式創造へ第一歩を踏み出した建築として知られる。また12世紀末に建造された大聖堂西正面中央柱の聖ステファヌス(サンテティエンヌ)像は,13世紀ゴシック彫刻の先駆をなす。大聖堂宝物館には15~16世紀のタピスリー,象牙細工などが保管されている。
執筆者:馬杉 宗夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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