サンタンデル(英語表記)Francisco de Paula Santander

デジタル大辞泉 「サンタンデル」の意味・読み・例文・類語

サンタンデル(Santander)

サンタンデール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「サンタンデル」の意味・わかりやすい解説

サンタンデル
Francisco de Paula Santander
生没年:1792-1840

コロンビア共和国初代大統領。在任1832-37年。ボリーバルの副官として独立運動に参加,コロンビア中部のボヤカの戦(1819)でその卓抜した指導力により革命軍を勝利に導いた。1821年グラン・コロンビアの副大統領となったが,強引な中央集権政策をとるボリーバル大統領と対立し,27年辞任した。28年ボリーバルの暗殺を企てたとして国外へ追放され,30年のグラン・コロンビア崩壊後帰国して,分離独立したヌエバ・グラナダ共和国(コロンビア共和国の前身)の初代大統領となった。コロンビア自由主義の先駆者といわれ,教育と経済発展および教会の影響力削減に力を入れた。また,J.ベンサムの影響を受け法治国家の建設に尽力したため,〈法律の人〉ともいわれる。
執筆者:


サンタンデル
Santander

スペイン北部,旧カスティリャ地方の同名県の県都。人口17万7180(2001)。カスティリャの海への出口として発達した港町だが,18,19世紀,ビルバオ発展に伴い重要性を失ってしまった。しかし現在でもビルバオ,ヒホン,中南米との交易港としての役目を果たしている。丘の上の,大聖堂に代表される旧市街に対し,現在は海岸に沿って新市街が発展している。市の西側は1941年2月15日の夜に起きた大火事によって全焼したことがある。当市出身のメネンデス・イ・ペラヨの名を冠した国際大学の講座が夏に開催される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「サンタンデル」の意味・わかりやすい解説

サンタンデル

コロンビアの初代大統領(在任1832年―1837年)。ボリーバルの副官として独立運動に参加。1819年ボヤカの戦でコロンビアの独立を実現。1821年グラン・コロンビアの副大統領となるが,強引な中央集権政策をとるボリーバルと対立して1827年辞任。翌年連邦主義者の蜂起の責任者とされ,亡命。1832年コロンビアの初代大統領となり,教育と経済発展,教会の影響力削減に力を入れた。
→関連項目コロンビア

サンタンデル

スペイン北部,ビスケー湾岸の港市。カンタブリア自治州の州都で,避暑地。北部一帯の鉄鉱石などを輸出,製紙・醸造・製糖工業も行われる。市街の中心部は1941年の大火後再建され,スペインで最も近代的な都市となった。付近にアルタミラ洞窟絵画がある。17万8095人(2011)。
→関連項目カンタブリア

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタンデル」の意味・わかりやすい解説

サンタンデル
さんたんでる
Santander

スペイン北部、カンタブリア州の州都で、港湾都市。カスティーリャ・イ・レオン地方への北の玄関口。人口18万0717(2001)。ビスケー(ビスカヤ)湾に通じる細長い入り江の北西岸に延びた砂州上に立地する。新市街は海岸沿いの丘陵地に広がり、西側の旧市街地とはトンネルで結ばれている。食品、造船、化学、製鉄などの工業がある。温和な気候のため、東約130キロメートルのサン・セバスティアンと並ぶ避暑地として知られ、とくにサルディネロ海岸は上流階級に愛されている。メネンデス・イ・ペラヨ国際大学で開かれる夏期講座が有名。町の南西32キロメートルに旧石器時代の絵画で有名なアルタミラの洞窟(どうくつ)がある。

[田辺 裕・滝沢由美子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンタンデル」の意味・わかりやすい解説

サンタンデル
Santander, Francisco de Paula

[生]1792.4.2. ロサリオデククタ
[没]1840.5.6. ボゴタ
コロンビアの政治家。ラテンアメリカ独立運動の指導者。 1810年独立運動に参加,S.ボリバルのもとで活躍,大コロンビア共和国のヌエバグラナダの副大統領に任命された (1819~27) 。ヌエバグラナダの独立後ボリバルと対立,ボリバル暗殺計画に加わったとみなされて亡命 (28~32) したが,30年の大コロンビア共和国解体後帰国,32~37年ヌエバグラナダ共和国 (現コロンビア,パナマ) 大統領に選ばれた。

サンタンデル
Santander

スペイン北部,カンタブリア州,カンタブリア県の県都。ビスケー湾岸の港湾都市で,サンタンデル湾を擁するマヨール半島の先端南岸にある。スペインの主要港の一つで,鉄鉱石,コムギ,毛織物,ワインを輸出する。漁港,避暑地としてもにぎわう。製鉄,造船,機械をはじめ,鉛,亜鉛,石油,化学などの工業がある。町がアルフォンソ 13世に贈ったマグダレナ宮殿,先史時代の遺物を集めた博物館,図書館などがある。人口 18万 9069 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサンタンデルの言及

【コロンビア】より

…1810年7月20日,ボゴタのクリオーリョたちは副王を追放し,独立を宣言した。この後スペインとの間に独立戦争が始まるが,19年8月,シモン・ボリーバルサンタンデルの率いる植民地解放軍はボヤカの戦でスペイン軍を撃破,ボゴタに入城して勝利を決定的なものにした。ヌエバ・グラナダがグラン・コロンビア共和国として正式に成立したのは21年のことである。…

※「サンタンデル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android