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シノブ

百科事典マイペディアの解説

シノブ

本州〜沖縄の山地の岩や樹幹などにはえるシノブ科のシダ。ふつう夏緑性。淡褐色の鱗片を密生した径5mm内外の根茎が長くはい,葉をまばらに出す。葉は厚く,光沢があり,五角状卵形で数回羽状に細かく切れこむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シノブ
しのぶ / 忍
[学]Davallia mariesii Moore

シノブ科の夏緑性シダ。山地の岩石、樹幹に着生する。鱗片(りんぺん)を密生する太い根茎から、葉身は三角状、外形は五角形となる葉をまばらに出す。3~4回羽状に分裂し、長さ30~40センチメートル。裂片は長楕円(ちょうだえん)形で1本の葉脈をもち、末端に壺(つぼ)形の包膜をもった胞子嚢(のう)群をつける。全国各地に分布する。根茎をシュロ縄でくくってつるす「つり忍」は、夏の涼気をよぶ風物詩である。キクシノブHumata repensはシノブより小形で、堅い革質の葉をもつ常緑性シダで、紀伊半島以南に分布する。[西田 誠]

文化史

シノブは「忍ぶ」の意味で、耐寒性が強く、冬は葉を落として耐え、春に芽吹くことから名づけられた。『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』(931~938ころ)に「垣衣」、和名之乃布久佐(しのふくさ)の名がみえるが、これはノキシノブのことで、古歌のシノブグサも多くはノキシノブをさす。シノブ玉として親しまれている独特の栽培法のつり忍は、元禄(げんろく)(1688~1704)のころまでには成立した。『花壇地錦抄(ちきんしょう)』(1695)には、葉のみごとな類に分類され、糸で吊(つ)るすとある。[湯浅浩史]

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