シノプシス(読み)しのぷしす(その他表記)synopsis

翻訳|synopsis

図書館情報学用語辞典 第5版 「シノプシス」の解説

シノプシス

(1)小説や演劇のあらすじ,注目すべき点などを説明したもの.(2)学術論文内容要約したもの.著者が作成する場合が多い.研究目的,方法,結果結論中心に,主観的判断を含めずに説明する.本論文を読むべきかどうかの情報を提供するという点で抄録と同じ役割を持っているが,一般に抄録よりも語数が多く,図や表を含めることもある.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シノプシス」の意味・わかりやすい解説

シノプシス
しのぷしす
synopsis

梗概(こうがい)、要約、大意の意で、映画や芝居オペラなどの粗筋をいう。syn-は「ともに」「同時」「類似」の意の接頭語で、これに「見る」の意のopがついたもの。演目のストーリーを簡単に要約、紹介するためのもので、劇場のプログラムなどに掲載されているものをいうが、とくに映画製作上では、主題、登場人物、舞台などを設定した粗筋をいい、シナリオを書く前につくられるものをさす。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のシノプシスの言及

【シナリオ】より

…トーキーの時代を迎えると,サイレント映画の字幕に代わる台詞(dialogue)の問題が生じ,劇作家や小説家が映画のシナリオに参加するようになり,シナリオの重要性が改めて強調されたが,そのために,いきおいせりふが多くなって,サイレント時代に完成された純粋に視覚的な映画演出の基盤がくずれ,映像よりもことばに頼る傾向が強くなり,〈映画芸術〉の発達を遅らせる結果になったことも事実である。 シナリオの作業過程としては,脚本家あるいはシナリオライターscreenwriterによって,まずざっとあら筋が書かれた〈synopsis〉(シノプシスあるいは梗概(こうがい))があり,次いで〈treatment〉(本書き)があり(日本映画のシナリオは,ふつう,物語の展開や人物間の関係をせりふとともにシーンごとにまとめた〈箱書き〉の形式で書かれる),それから監督が演出プランに基づいてカット割りを行ってカットごとの撮影,照明,演技者の出入りまでを細かく規定した〈shooting script〉(撮影台本あるいはコンテ=コンティニュイティ)の段階がある。エイゼンシテインやヒッチコックのようにカットごとに〈storyboard〉(絵コンテ)を描く監督もいる。…

※「シノプシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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