シャルダン(英語表記)Chardin, Jean-Baptiste-Siméon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シャルダン
Chardin, Jean-Baptiste-Siméon

[生]1699.11.2. パリ
[没]1779.12.6. パリ
フランスの画家。初めピエール=ジャック・カーズ,次にノエル=ニコラ・コアペルに学んだが,画家としての教育はおもにジャン=バティスト・ファン・ルーによって授けられた。1728年無審査の青年画家展覧会に『赤鱏(あかえい)』『食器棚』(ともにルーブル美術館)を含む 10点ほどの作品を出品。その力強い色調と巧みな構図によって認められ,アカデミー会員となった。『洗濯女』(スウェーデン国立美術館),『手紙に封をする女性』(ベルリン国立美術館)など 1734年の展覧会に出品された作品のほかにも,『羽根つきの少女』(1734,ウフィツィ美術館),『買い物の帰り』(1739,ベルリン国立美術館)など丹念な筆致によって写実的に描いた作品があり,色彩を混合せずに並置することによって対象上の光の反映をみごとにとらえている。

シャルダン

テイヤール・ド・シャルダン」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

シャルダン

フランスの画家。パリ生れ。18世紀フランス絵画の主流であった宮廷的なロココ絵画とは対照的に,台所の什器類を主題とする静物画や庶民の日常生活をテーマとする作品を多く残した。柔らかく暖かい光の効果と繊細で調和のとれた色調,明快な構図による作品にはほのぼのとした情感がある。代表作に《銅の給水器》(1734年ころ,ルーブル美術館蔵),《トランプの城》(1737年ころ,ロンドン,ナショナル・ギャラリー蔵),《食前の祈り》(1740年ころ,ルーブル美術館蔵)などがある。
→関連項目フラゴナールロンギ

シャルダン

フランス生れの英国の旅行家,宝石商。近東とインドへ前後2回の大旅行を行い,二つの旅行記を書いた。これらはサファビー朝のイスファハーンや近東の事情を知るうえで貴重。プロテスタントであったため,1681年以来英国に住み,宮廷出入りの宝石商となった。

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世界大百科事典 第2版の解説

シャルダン【Jean‐Baptiste Siméon Chardin】

1699‐1779
フランスの静物,風俗画家。パリに生まれ,生涯をパリ,それもセーヌ川周辺で過ごす。カーズP.J.Cazesに師事,その後コアペルの肖像画制作の際の,静物の部分を描く助手をしたらしい。1728年〈サロン・ド・ジュネスSalon de Jeunesse(青年美術展)〉に《エイ》を初めて出品して認められ,アカデミーに入る。その成功にもかかわらず,必ずしも生活は容易でなかったため,フォンテンブロー宮殿のグランド・ギャルリーの修復作業などに従事するかたわら静物画を制作した。

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大辞林 第三版の解説

シャルダン【Jean-Baptiste Siméon Chardin】

1699~1779) フランスの画家。新鮮な配色と精巧な描写で市民生活の風俗や日常的な静物を情愛をこめて描いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シャルダン
しゃるだん
Jean-Baptiste Simon Chardin
(1699―1779)

フランスの画家。生涯をパリに過ごす。ピエール・ジャック・カーズおよびノエル・ニコラ・コワペルに師事し、1728年、ラルジリエールらの推挙を得て王立アカデミー会員として認められ、『赤えい』(ルーブル美術館)を提出する。静物画を主として描き、その迫真的な筆力、強い構図、静かな雰囲気で評価を得たが、公の仕事は、フォンテンブロー宮の修復など、さほど「満足できるものではなかった」ため、オランダ風の風俗画、人物画に転じ、とくに風俗画では、フランス的な典雅さと静かな構成で評価を得た。40年ルイ15世に謁見を許されて献じた『食前の祈り』(ルーブル美術館)はその代表作。70年ごろまで彼の名声は高く、生活は安定していたが、最晩年は不遇であり、また視力の弱化によってパステル画に転じている。ディドロたちによって称揚された彼の静物画と風俗画は、19世紀の絵画(たとえばセザンヌなど)に先駆する近代性とロココの魅惑のみごとな合一であるといえよう。[中山公男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

シャルダン

(Jean-Baptiste Siméon Chardin ジャン=バチスト=シメオン━) フランスの画家。フランス絵画の典雅さとオランダ絵画の写実性を調和させた独自の画風により、庶民の生活に密着した静物・風俗画を描く。アカデミー会員。作品に「赤鱏(あかえい)」「食前の祈り」など。(一六九九‐一七七九

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世界大百科事典内のシャルダンの言及

【静物画】より

…当時の静物画はきわめて写実的な外観にもかかわらず,上述の〈ウァニタス〉のほか,〈五感〉〈四大〉などの象徴的意味を担っているものも少なくない。18世紀にはフランスにシャルダンが登場し,華美や豪奢とは無縁のなんの変哲もない日常の事物を親密な目で描いて,より普遍的な近代的静物画への道を開いた。しかし,18世紀までの伝統的な古典主義的芸術観においては静物画は最下位におかれ,これに携わる画家の地位も一般に低かった。…

【風俗画】より

…ワトー,ランクレ,ブーシェは貴族の園遊会,あいびき,貴婦人と朝の化粧などをテーマに,上流階級の風俗のよき記録者となった。他方,シャルダンは《市場帰り》(1739)などで,ロココの貴族的な風俗画に背を向け,中産階級の地味な生活感情を謳歌した。スペインではゴヤが,1770~80年代に王立タピスリー工場のために精力的に下絵(カルトン)を制作したが,《瀬戸物売り》《凧上げ》《洗濯女たち》など,主として民衆の生活や娯楽に題材を求めた。…

※「シャルダン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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