金属材料の表面に直径約1.0mmの大きさの鋼製あるいは鋳鉄製の小球(ショット)を急速かつ連続的に打ち当てて表面層を加工硬化させる表面加工法。これにより材料の表層は圧縮残留応力が残り,疲れ強さが増加する。ショットピーニングを行うと,金属表面は塑性変形を起こし,丸いくぼみができて梨地状になるが,加工硬化をしている部分は表面層だけで浅く,材料本体の引張強さなどには大きな影響を与えない。ショットピーニングを行う機械は,ショットを噴射する方法により,空気噴射式(圧縮空気によりショットを噴きつける),遠心噴射式(回転する翼車の羽根の遠心力によりショットを噴きつける)に大別されるが,現在では後者がおもに用いられている。ショットの種類は,その材質により,白銑ショット,可鍛鋳鉄ショット,鋳鋼ショット,鋼線ショット(ピアノ線などをカットしたもの)がある。小球状ではなく角ばったショットを噴射して大型鋳物の砂,スケールなどを除去する方法にショットブラスト法shot blastingがある。
執筆者:今井 八郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
白銑(高炭素鉄)や鋼の小粒(ショット)を圧搾空気流または高速回転する羽根を用いて、ばねなどの機械部材に打ち付け(ピーニング)、機械部材の表面に圧縮残留応力を発生させて疲れ強さを向上させようとする金属表面処理法。類似のものにショットブラスト、およびストレスピーニングがある。前者は、ショットを吹き付け(ブラスト)て鉄鋼などの表面の酸化物(スケール)などを除いて表面を清浄にするのが目的であり、後者は、機械部材が使用中に受けるのと同じ状態の応力を与えながらショットピーニング処理を行う方法で、これにより疲れ強さは単純なショットピーニングより一段と高められる。ショットピーニングは1930年ごろにアメリカのジムマーリF. P. Zimmerliが提唱し、40年以降、ばねの表面処理法として急速に普及した。
[須藤 一]
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