シルダリヤ

精選版 日本国語大辞典 「シルダリヤ」の意味・読み・例文・類語

シル‐ダリヤ

  1. ( [モンゴル語] Syr Dar'ya 「黄色い川」の意 ) 中央アジアウズベキスタン共和国東部からカザフスタン共和国南部を流れる川。水源天山山脈で、フェルガナ盆地を貫流してアラル海に注ぐ。全長二二一二キロメートル。ヤハルテス川。セイフン。シル川

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百科事典マイペディア 「シルダリヤ」の意味・わかりやすい解説

シル・ダリヤ[川]【シルダリヤ】

アム・ダリヤと並ぶ中央アジアの大河。古代ギリシア語でヤクサルテス,アラビア語でセイフンと呼ばれた。天山山脈に発したナリン川とカラ・ダリヤがフェルガナ盆地東部で合流しシル・ダリヤとなり,キジルクム砂漠を北西流,アラル海に注ぐ。キルギス,ウズベキスタン,タジキスタン,カザフスタンの各共和国を流れ,全長2212km(支流ナリン川水源からは3019km)。数ヵ所に水力発電所が建設され,また多くの灌漑(かんがい)運河の水源となっており,流域綿花の大生産地。蒸発量と取水量が多いためアラル海の水位低下が著しい。
→関連項目イリ[川]ウズベキスタンキプチャク・ハーン国タシケント

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルダリヤ」の意味・わかりやすい解説

シルダリヤ
しるだりや
Сырдарья/Sïrdar'ya

カザフスタン共和国南部を流れる川。長さでは中央アジア最大、水量ではアムダリヤに次ぐ大河。キルギス共和国最東端の天山山系に源を発して西に流れ出たナリン川が、ウズベキスタン共和国のフェルガナ盆地東部でカラダリヤと合流してシルダリヤとなる。盆地を出てからはキジルクム砂漠の北東縁に沿って北西に流れ、アラル海に注ぎ込んで大きな三角州をつくる。沖積土の量は河口で年約1000万トンに達し、年に50メートルの割合で陸地(三角州)が増大している。本流の長さは2212キロメートル、上流のナリン川を含めると3019キロメートル。流域面積は21万9000平方キロメートルであるが、下流の1000キロメートルは乾燥地帯で流域界は不明確である。フェルガナ盆地には大フェルガナ運河とカイラクムКайракум/Kayrakum貯水池、またタシケントの西にはチャルダラЧардара/Chardara貯水池がつくられ、灌漑(かんがい)に利用されて、沿岸一帯は綿作の中心地となっている。またチャルダラ貯水池の南西には、かつての沼沢地に一大塩湖アイダルクリАйдаркуль/Aydarkul'湖(幅約25キロメートル、長さ約150キロメートル)が形成された。下流では12月から3月末まで結氷する。

[小宮山武治]

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