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シーラーズ Shīrāz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シーラーズ
Shīrāz

イラン中南部,ファールス州州都ザグロス山脈中の低地,標高 1486mに位置する。数々の庭園と廟とモスクをもつ歴史的都市であるが,同時に魅力的な近代的都市でもある。ペルシアの大詩人サーディーハーフィズの生誕地で,市の北郊にある彼らの墓所は華麗に修復されている。 1630年,68年の洪水,疫病,飢饉,また特に 1824年と 53年の地震などにもかかわらず,市の大部分は意外なほどもとのままに存続している。セレウコス朝,パルティア朝,ササン朝各時代を通じて重要な都市であった。 13世紀にはモンゴル人が新しいモスクを建て,1387年と 93年にチムールがこの市を占領したが,町はモスクと廟と大図書館を擁してバグダードに匹敵するイスラム教の中心地となっていた。 15~16世紀にはミニアチュールのシーラーズ派の本拠であった。 18世紀初期にはアフガン人の侵略を受けたが,ザンド朝によって首都とされ,同朝の創始者カリーム・ハーンは多くの壮麗な建物で町に美観を添えた。新市街にはネストリウス派の聖シモン聖堂や国立大学などがある。ザグロス山脈中央部への交通と商業の中心地で,ペルシア湾岸の外港ブーシェルと道路で結ばれている。ワインの生産で知られ,セメント,砂糖,肥料,織物などの工場があり,伝統的な象眼細工が盛んである。なお,古代ペルシアの王宮遺跡ペルセポリスが市の北東 65kmにある。人口 96万 5117 (1991) 。

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デジタル大辞泉の解説

シーラーズ(Shīrāz)

イラン南西部の商工業都市。ファールス州の州都。ザグロス山脈の高地に位置する。18世紀にザンド朝の首都として繁栄。詩人サーディーの生地。北東に古代遺跡ペルセポリスがある。

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百科事典マイペディアの解説

シーラーズ

イラン南西部の都市。ザーグロス山脈中にあり標高1500m。農業の中心で,主産物はテンサイ,ブドウ,穀物。じゅうたん製造,銀細工で有名。7世紀末アラブの将軍が創設したといわれ,934年ブワイフ朝,1750年ザンド朝の都となった。
→関連項目ブーシェフル

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世界大百科事典 第2版の解説

シーラーズ【Shīrāz】

イラン南西部,ファールス州の州都。テヘランイスファハーンマシュハドタブリーズにつぐ都市で,人口84万8289(1986)。ザーグロス山脈中の盆地,標高1505mにあり,テヘランまで919km,ペルシア湾の港ブーシェフルまで299km。年降水量385mm。 シーラーズの北東約50kmの所にあるペルセポリスがアケメネス朝の王宮だった頃には小村にすぎなかったが,684年にアラブの将軍ムハンマド・ブン・カーシムによって町が作られた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シーラーズ
しーらーず
Shrz

イラン南部、ファールス州の州都。商工業都市。人口105万3025(1996)。南北を山脈に挟まれた標高1500メートルの盆地上にあり、温暖な気候と美しい庭園で知られる古都である。近郊は豊かな農村地帯で、糖度の高いブドウを原料としたワインが有名である。象眼(ぞうがん)細工や、トルコ系遊牧民カシュカイによる独特の文様のじゅうたんでも知られる。紡織、セメント工場がある。市内にはイランの大詩人ハーフィズとサーディーの廟(びょう)、民間信仰の中心のシャー・チャラーグ廟のほか、ザンド朝時代のモスク、庭園などが残っている。近郊にはペルセポリスに代表されるアケメネス朝やササン朝の遺跡が多い。[香川優子]

歴史

7世紀末にウマイヤ朝のイラク総督ハッジャージュの従兄弟(いとこ)のムハンマドによって建設された。9世紀後半にはサッファール朝の治下に発展し、大モスクがつくられた。10世紀にはブワイフ朝のファールス政権の首都となり、市壁、宮殿、病院、図書館などが整備された。モンゴルやティームールによる破壊は免れたものの、18世紀にはナーディル・シャーの攻撃によって荒廃した。しかし、同世紀後半にはカリーム・ハーンによってザンド朝の首都に定められ、ふたたび市壁や堀、公共建造物がつくられ、バザールも整えられた。19世紀初めには大地震によって被害を受けたが復興し、現在に至っている。[清水宏祐]

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