日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジムカデ(節足動物)」の意味・わかりやすい解説
ジムカデ(節足動物)
じむかで / 地蜈蚣
地百足
worm-like centipede
節足動物門唇脚(しんきゃく)綱ジムカデ目Geophilomorphaに属するムカデの総称。地中生活に適応し、目がなく、体は多数の胴節に分かれ、蠕動(ぜんどう)運動に似た歩行をするのでこの名がある。全体は黄色ないし橙黄(とうこう)色。体長3~4センチメートルのものが多く、細長く、歩肢は31対以上で、多いものは177対まである。蛇行や前進後退が自由で、土中の割れ目に潜行し、小昆虫を捕食する。卵からかえったばかりの幼虫は成体と同じ歩肢対数を有し、脱皮を繰り返して約2年で成熟する。全世界に分布し、10科に分類される。日本産はそのうち5科約60種がある。代表的なヒロズジムカデ、ツメジムカデは歩肢41対で全国に分布。
[篠原圭三郎]